支援活動159_webBook
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10 知的財産支援活動だより2015年3月号(No.159)●昨年12月2日、私は、弁理士会の派遣講師として、国立弓削商船高等専門学校(以下、弓削商船)で知的財産セミナーの講義を担当しました。弓削商船は、しまなみ海道の半ばのはずれにある瀬戸内の離島、弓削島にあります。私も住むこの弓削島は、信号機がありません。そんなのどかな場所にある弓削商船には、船乗りや船のエンジニアを養成する商船学科のほかに、電子機械工学科、情報工学科もあり、今回の講義は、こちらの2学科の5年生を対象に行いました。 弁理士会からは、講義資料として「特許エンターテイメントセミナー初級」のパワーポイントが提供され、すべてが整っていたので、派遣講師側の事前準備はほとんど必要なく、当日は、寸劇にご協力いただいた学生さんとのやりとりもスムーズでした。講義資料には、特実意商の権利を具体的にイメージできるよう工夫されたQ&Aも含まれており、台本通り会場とコミュニケーションをとりつつ進めたことで、学生さんも関心をもって最後まで聴いてくれていました。 以上、初めて弁理士会の派遣講師を担当して感じたことをご報告させて頂きました。国立弓削商船高等専門学校●「特許権の取得から特許権侵害をめぐる攻防まで」と題するパワーポイント教材を使用しました。同教材は、第1部「最近の特許訴訟について」と第2部「おにぎりパック特許権物語」の2部で構成されています。第1部においては、アップルvs.サムスンの特許訴訟の経過について概説しました。第2部においては、架空の特許係争事件をいわゆる電子紙芝居に仕立てて上演しました。 電子紙芝居は、ストーリーの進行に合わせて自動再生されるキャラクターの台詞に、講師が答える形で進行するものであり、(私には)多少気恥ずかしいものでした。しかしながら、受講者の間では概ね好評だったようです。相当の興味をもって、聴講しているようでした。教科書的な説明だけでは理解しにくい侵害事件の実務を、多少大げさな演出を交えて視覚的に提示したのが本教材の成功の理由だったと考えます。北九州工業高等専門学校5.むすび 早いもので、本協定が締結されてから2年が経ち、2回目のセミナーがすべて終了しました。高専ワーキンググループをはじめとする知的財産支援センター第2事業部の委員、台本の作成の際、多大なる協力を頂いた近畿支部の会員、セミナーの講師として尽力してくださった各高専の管轄支部の会員、高専機構とのスケジュールの調整などを円滑に進めてくださった弁理士会事務局、この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。 次年度以降も、「誠実に業務を行う」という弁理士および日本弁理士会が全うすべき職責を心がけ、高専学生にとって有意義な時間を提供することができるよう、貢献していく所存です。

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