日本弁理士会の活動
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先生のための(知財の)農業編
大人でも思わず引き込まれるおもしろ知財エピソード集です。 小学生から高校生までを対象に幅広くご利用ください。
テーマ:四角いスイカ
Keywords | ロゴ商標、農業協同組合、知財戦略 |
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法域 | 特許法、商標法 |
教科 | 農業 |
四角いスイカは、香川県農業協同組合の善通寺西瓜部会(ぜんつうじすいかぶかい)を中心として開発され、現在は善通寺の筆岡地区を中心に生産されており、国内では店頭価格1万円前後で販売されています(※1)(※2)(※3)。栽培方法ですが、縞王(しまおう)という品種のスイカの実を小さなうちから立方体形状の栽培容器に入れ、型枠の中で四角い形に肥大化させて作ります。肥大化し過ぎて栽培容器の中で割れないよう未成熟のうちに収穫するため、甘味が少なく食用としては適しておらず、観賞用として販売されています。 四角いスイカに関する知的財産としては、香川県農業協同組合が「ウリ科類の成型栽培容器」についての特許権を2004年に取得しています(※4)(※5)。同じく香川県農業協同組合が「善通寺産」「四角」「スイカ」「K」「JA香川県」の文字が含まれるロゴ商標についての商標権も2016年に取得しています(※6)(※7)。さらに香川県農業協同組合によって、「善通寺産四角スイカ」という名称が2019年に地理的表示として登録を受けています(※8)(※9)。その他にも、香川県農業協同組合が中心となって、美しい外観の四角いスイカを安定して生産するためのスイカ選抜技術がノウハウとして地域内で伝承されているそうです。 香川県農業協同組合の知財戦略によって、四角いスイカは善通寺市だけの特産品として、そのブランド価値がしっかりと守られているようです。 ※1 四角スイカ 善通寺市ホームページ (city.zentsuji.kagawa.jp) (履歴情報)2023/03/23 掲載 |
テーマ:四角いメロン
Keywords | 農業協同組合、農業高校、地域ブランド |
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法域 | 特許法、商標法 |
教科 | 農業 |
四角いメロンは、愛知県立渥美農業高等学校により開発され、現在は愛知みなみ農業協同組合と豊橋農業協同組合を中心に生産されており、国内では店頭価格1万円前後で販売されています(※1)(※2)(※3)。栽培方法ですが、マスクメロンの実を小さなうちに立方体形状の栽培容器に入れ、栽培容器の中で四角い形に肥大させて作ります。四角いメロンは丸いメロンと同じようにしっかりと甘味があり、果肉全体の糖度分布は丸いメロンよりも均一で、皮の近くまで甘いそうです。 四角いメロンに関する知的財産としては、渥美農業高校の鈴木和昭校長、愛知みなみ農業協同組合、豊橋農業協同組合が「多面体状メロンの栽培方法及び四角いメロン栽培用型枠」についての特許権を2007年に取得しています(※4)(※5)。また、同校の鈴木和昭校長と加藤俊樹教諭が「カクメロ」という文字商標についての商標権を2005年に取得しています(※6)(※7)。 栽培容器の製作には愛知県立豊橋工業高等学校の学生の協力もあったようです。地域と学校とが協力し合って知的財産を創出し農業生産物の地域ブランドが生み出された、夢のある事例の1つではないでしょうか。 ※1 愛知県立渥美農業高等学校 (aichi-c.ed.jp) (履歴情報)2023/03/23 掲載
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テーマ:四角いスイカと四角いメロンの比較
Keywords | 栽培方法 |
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法域 | 特許法 |
教科 | 農業 |
四角いスイカと四角いメロンを比較してみましょう。 先ずは、栽培方法についてです。実を小さなうちに立方体形状の栽培容器に入れ、栽培容器の中で四角い形に肥大させて作る点において、両者は同じです。しかしながら、四角いスイカは肥大化し過ぎて栽培容器の中で割れないよう未成熟のうちに収穫するのに対し、四角いメロンは成熟してから収穫する点において、両者は異なります。未成熟で収穫される四角いスイカは甘味が少ないため食用には適さず観賞用として販売されますが、成熟してから収穫される四角いメロンは丸いメロン同様に甘味があり食用として販売されます。また、未成熟で収穫される四角いスイカは保存状態が良ければ四角い形を数か月間保ちますが、成熟してから収穫される四角いメロンの賞味期限は丸いメロンと同様に1~2週間程度です。
※1 特許第3583386号 (履歴情報)2023/03/23 掲載 |
テーマ:お米と宇宙ビッグデータ
Keywords | 宇宙ビッグデータ |
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法域 | 特許法 |
教科 | 農業 |
私たちが普段食べているお米。 地球観測衛星から取得された膨大なデータ(以下、宇宙ビッグデータ)がお米の栽培に活用されつつあることをご存知ですか? 宇宙ビックデータには、例えば、光学衛星画像等の画像データ、降水量などの気象情報、地形情報、赤外線によって観測される地表面温度、及び二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの濃度などが含まれます。 JAXA認定のベンチャーは、栽培候補地の過去の気象データと、栽培品種の生育条件を照らし合わせて、最適な栽培地のマッチングする技術を開発しました(特許第7070872号)。2021年には、この技術を用いて選定された田んぼで栽培・収穫されたお米が実際に販売されています。 今回ご紹介した技術は、気候変動に対応して、安定してお米を供給する技術として注目されています。普段食べているお米を生産するのには、ロボット技術や情報通信技術が活用されています。実際に、どのような技術が使われているかを調べてみると、きっと面白い技術を発見できますよ。 (履歴情報)2023/03/23 掲載 |