よくあるご質問
FAQ
よくあるご質問
Q. 7 どのようにして特許出願したらよいでしょうか?
Answer
出願人、発明者等を記載した願書に、発明の内容を記載した明細書と必要な図面、権利書の役割を果たす特許請求の範囲、発明の概要を示す要約書を添付して、特許庁に提出することが必要です。提出は、書面でもオンラインでも可能ですが、所定の料金の納付が必要です。
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1.提出書類
(1)願書
出願書類の表紙に相当する書類であり、官庁に提出する各種申請書のようなものと考えて下さい。願書には発明者や特許出願人の氏名や住所を記載します。
(2)明細書及び図面
特許をとりたいと考えている発明の内容を具体的に説明する書類に相当します。特許をとりたいと考えているアイデアや試作品等の内容を、当業者が理解できる程度に詳しく説明します。
なお、図面は発明の理解に必要不可欠と考えられる場合にのみ提出すればよいことになっていますが、化学分野等の限られた分野を除いて、発明の内容を文章 のみで他人に伝えることは難しく、図を示しながら発明の仕組みや構造を説明した方が発明を正確に表現できます。従って、可能な限り図面を添付すべきです。
(3)特許請求の範囲
特許権として権利を取得したい事項を記載する書類に該当します。取得した権利の内容は、この請求の範囲の記載に基づいて定められるので、最も重要な書類です。
(4)要約書
発明の概要を400文字以内で簡潔に記載します。
2.書類の提出方法について
出願書類の提出方法については、書面(紙媒体)による提出方法と、パソコンを利用したオンライン出願による提出方法とがあります。
(1)書面出願(書面による提出)
この場合には、特許庁出願課の窓口に持参する方法と、特許庁長官宛に郵送する方法とがあります。窓口に持参した場合には提出時が出願時となります。郵送により提出した場合、郵便局の受領証や消印に基づいて特定された郵便差出日時が出願時とみなされます。消印は汚損のおそれがあるので、書留や簡易書留を利用して受領証を受け取り、これを保存しておくべきです。宅配便によって出願書類を送ることも認められているようですが、その場合には郵便差し出しのような出願日時の推定を受けられず、特許庁が受け取った日時が書類の提出日時となります。この点十分に注意すべきです。
書面出願の場合、用紙はA4を利用し、一行40文字詰、一頁50行以内で、10~12ポイントの文字を利用する必要があります。余白等についても書類毎に細かい規定があります。各書類に様式不備がある場合は補正命令の対象となったり、出願却下処分の対象となることがあります。
(2)オンライン出願
特許庁が配布するパソコン出願ソフトを利用すれば、パソコンからオンラインで出願書類を送信することができます。但し、この手続を利用するには特許庁に対して一定の登録手続をする必要があります。
(3)手数料の納付
特許出願の場合には一出願につき14,000円の出願手数料を納付する必要があります。手数料は特許印紙により納付します。書面出願の場合には願書の上部余白に必要額の特許印紙を貼付します。特許印紙は郵便局等で購入することができます。
オンライン出願の場合には特許印紙を送信することができませんので、予納という手続等を利用します。予納とは、事前に特許印紙を納めて予納口座を開設し、出願等の手続が発生した都度、予納口座から必要額を引き落とすという方法です。
特許印紙を使用せずに手数料を納付する方法として現金納付制度もあります。この制度は特許庁から事前に納付書を交付してもらい、それを銀行等に持参して手数料を振り込むという制度です。
(4)その他の注意事項
現行の法律では、明細書等の書類の記載方法について細かく規則が決まっており、また、明細書や図面に関する出願後の補正についても非常に厳しい制限が課せられています。従って、重要な発明については出願前に弁理士のアドバイスを受けるか、書類の作成を弁理士に依頼することをお薦めします。弁理士法第30条により弁理士には厳しい秘密保持義務が課せられており、弁理士であれば出願前でも安心して出願内容を相談すること ができます。また、出願書類を職業として作成したり、出願手続を職業として代行する行為は、弁理士及び弁護士に限って認められています。
出願書類は原則日本語で作成しますが、英語による出願も認められています。但し、その場合には出願から2か月以内に日本語による翻訳文を提出する必要があります。
特許出願について実体審査を受けるためには、出願日から3年以内(出願と同時も可)に審査請求手続をする必要があります。
特許出願の手続については様々な解説書が刊行されています。解説書を参照して出願書類を自作する場合、発明協会や弁理士が記載した書籍を選んでこれを十分に理解することをお薦めします。中には、どんな人でも簡単に出願ができるかのように記載している書籍も見受けられますが、特許出願手続には深い知識と経験がなければ十分な利益を受けることはできません。不備のある手続を行ったばかりに権利が取得できなかったり、不十分な内容でビジネスチャンスを失うことがないよう十分注意をして下さい。