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弁理士に依頼する場合のポイント

ここでは、特許出願を依頼する場合について説明しますが、実用新案登録出願、意匠登録出願、商標登録出願について依頼される場合も同様です。
「途中からではなく最初から依頼すること」「十分に打ち合わせをすること」「普段から相談できる顧問弁理士を活用すること」がポイントです。

技術開発に成功したら
一刻も早く相談する
ほとんどの国の知的財産権制度は先願主義(最初に特許庁に出願したものに権利を与える主義)を採用していますから、一日も早く出願することが大切です。出願前に公表したり、関係先に実施化の話をしたり、販売したりすると、原則として権利化できないことになりますから、その前にまずご相談下さい。

弁理士の守秘義務
弁理士法は、「秘密漏洩又は盗用の罪」を規定して、弁理士に依頼者の秘密を守る義務を課しています(弁理士法第30条,77条)。
必要に応じて調査をする
前もって過去に出願された技術や似たような技術の調査を行うことをお勧めします。弁理士は調査依頼を受けると調査を行い、調査結果に基づいて特許や登録の可能性があるかどうかを判断します。
できるだけ資料をそろえる
技術内容を弁理士に説明するときは、説明書、図面、製品の写真など、できるだけ多くの関係資料をそろえて下さい。
技術の説明は従来の技術と対比して
従来技術、周辺技術と対比させながら客観的に説明して下さい。可能であれば特徴的な部分とそうでない部分とを区別して詳しく説明して下さい。
弁理士は説明を基に技術を理解し、発明、考案として組み立てていきます。また、どうしたら広く強い権利がとれるかアドバイスし、場合によっては不足のデータを指摘します。
発明を生かすも殺すも明細書しだい
出願書類には、権利範囲を記載する「請求の範囲」と発明を詳細に記載する「明細書」があります。これらの書類の最終原稿は依頼者自身がチェックして下さい。特に「請求の範囲」は権利書になりますので重要です。理解できない点がありましたら弁理士から十分に説明を受けてください。
依頼ははじめから
特許庁から拒絶理由通知(現状では特許することができない理由が示された通知)がきてから、あわてて弁理士に依頼するケースが見受けられますが、これは極めてまずいやり方です。明細書に技術的説明を追加することはできませんので、修正できる範囲が制限され不十分な権利しかとれないことがしばしばあります。
強い権利を取得するためにも、また経費を節約するためにも、最初から弁理士に依頼することをお勧めします。
顧問弁理士としての活用を
知的財産権の問題は、その権利期間から考えてもわかるように、10年、20年の長期間にわたります。
個々のケースごとに違った弁理士に依頼するより、信頼できる弁理士を顧問として活用することをお勧めします。それにより、迅速かつ継続性のある特許戦略を打ち出すことができます。