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公開フォーラム・会員向け研究発表会

第6回公開フォーラム

<日   時>  平成20年9月24日(水)13:00〜17:00
<会   場>  全社協・灘尾ホール(新霞が関ビル)
<参加者数>  295名
<発表内容>  
●講演T: 「商標権の効力と商標的使用について」
講 師 : 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授 土肥一史 氏
内 容 : 成長した大木が大きな日影をつくるように、登録主義の下でも、使用の結果、著名といえるまでに成長した登録商標には大きな保護範囲が与えられてよいかも知れない。現に、米国や欧州の商標制度(ラナム法43条(c)、欧州商標規則9条1項(c)など)では、著名商標にだけ認められる特別な権利の効力が規定されている。わが国でも著名商標の保護のあり方が検討されることになった。その保護は混同のおそれがあるのかないのかという領域でのものではないことははっきりしているが、ではどこまで拡がることが適切なのか、「商標的使用」の観点から検討する。
●講演U: 「特許法における発明の『本質的部分』という発想の意義」
講 師 : 北海道大学大学院法学研究科教授 田村善之 氏
内 容 : 最判平成10.2.24[ボールスプライン軸受]は、均等論の第一要件として特許発明の本質的部分という概念を掲げた。それ以来、学説のなかに、多機能型間接侵害や消尽の成否の判断等においても本質的部分という基準を一貫して適用するものがある。本報告では、裁判例の紹介の後、発明に加えて出願による開示を特許の要件とする特許法の構造に鑑みると、均等論における本質的部分は明細書の記載に基づいて定められるべきであること、他方で、制度趣旨を異にする多機能型間接侵害や消尽の場面においては、本質的部分ではなく、イ号の物理的構造に鑑みた要件論を展開すべきことを提唱する。
●パネルディスカッション: 「進歩性について」
モデレータ : 東京大学法学部・大学院法学政治学研究科教授 大淵哲也 氏
パネラー : 知的財産高等裁判所調査官 相田義明 氏
弁理士 ゾンデルホフ&アインゼル法律特許事務所
  アインゼル・フェリックス・ラインハルト 氏
弁護士・弁理士 長島・大野・常松法律事務所 田中昌利 氏
弁護士・弁理士 大野綜合法律事務所 大野聖二 氏
内 容 : 特許法による法的保護の要ともいうべき進歩性概念の重要性は論をまたないが、この最重要論点について、日欧米の3極についての詳細な比較法的研究も踏まえた上で、審査、審判、審決取消訴訟、さらには侵害訴訟の各場面をカヴァーした形で、各種の重要事例に関する緻密なケーススタディを有機的に組み込んで、研究者と実務家のコラボレーションにより理論と実務の両面から掘り下げた総合的な研究を展開してきた。当日は、本研究部会での極めて白熱した議論を再現した。
 
※肩書きについては、公開フォーラム開催当時のものです。
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