第1回会員向け研究発表会
<日 時> | 平成20年3月24日(月)13:00〜17:00 |
<会 場> | 弁理士会館会議室 |
<参加者数> | 68名 |
<発表内容> | |
●講演T: | 「複数当事者による知的財産権侵害」 |
講 師 : | 京都大学大学院法学研究科准教授 愛知靖之 氏 |
内 容 : | 特許権、著作権などの侵害行為者が立場や能力の異なる複数の主体により行われた場合、その様相は、各主体の侵害行為への関与の仕方により極めて複雑になる。また、特許法における間接侵害規定については、改正が行われ一部判決例が出つつあるが、改正部分について未だ解明されていない部分が多い。当研究所の関西における研究部会では、平成18年度から19年度にわたってこれらの問題を取り上げ、解明への糸口、方向性を検討してきた。 |
●講演U: | 「特許権侵害による損害賠償額の算定をめぐる諸問題」 |
講 師 : | 早稲田大学法学部・大学院法務研究科教授 高林 龍 氏 |
内 容 : | 特許法102条1項に基づく損害賠償額の算定に際して考慮すべき「特許権者が販売することができないとする事情」の範囲については、これを厳しく制限する東京地裁の一部の判決とこれに反する通説的見解がある。また、同第1項で特許権者が販売することができなかったとされた部分について、同第3項の賠償請求をすることはできないとするのが知財高裁を含めた近時の判例の立場である。高価な特許発明の実施品が販売されている間に、権利侵害品がいわゆる100円ショップで大量に販売された事案についての最近の大阪地裁の判決を素材として、現在の通説的見解がアプリオリに正しいといえるのかを探り、その過程で特許法102条の損害賠償額の算定をめぐる問題状況を概観できればと考えている。 |
※肩書きについては、公開フォーラム開催当時のものです。