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2008年 会長年頭所感

年頭のあいさつ


会長
中島 淳
(なかじま じゅん)


皆様、新年明けましておめでとうございます。新たな年の初めにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

昨年は、常議員会や総会の他、日本弁理士会の各種会務活動を予定どおり進展することができました。これも、日頃から弁理士会の活動を理解し、ご指導とご支援を下さっている会員をはじめ多くの皆様方 のお蔭と深く感謝致しております。

昨年6 月には、弁理士法の一部が改正されました。これにより、弁理士試験制度が改正されて、数多くの有能な若手が弁理士となることが期待されています。それと同時に、試験合格者などが弁理士登録をする前には実務修習が必須となり、新人の実務レベル向上が期待されます。また、すでに登録している弁理士も5 年間で70 時間の研修の定期的受講(継続研修)が義務化されます。この継続研修には、弁理士倫理、法改正事項、業務のレベルアップ項目が含まれ、弁理士としての専門性が益々向上することが期待されています。他には、弁理士の情報開示、名義貸し禁止事項など弁理士のコンプライアンス面も充実し、弁理士のプロフェッショナル性の一層の向上が図られます。

政府の知的財産戦略も第2 期が進行中です。昨年就任した福田総理は、10 月の所信表明演説において、世界最先端を目指す知的財産戦略を推進することを明言されました。当然ながら、知的財産専門家としての弁理士への期待は益々高まっています。今までは、弁理士の業務は権利化へ集中しているとの見かたでした。本年度は、権利化である本来業務はさらにレベルを高く、関連業務はより多くの弁理士が関与するように、「より高く・より広く」の運動を展開しています。今までの貴重な実務経験に加え、弁理士会研修所や知財ビジネスアカデミーなど、知財のビジネス面を含め高度な知識とスキルを得た弁理士が、知財総合アドバイザーとして活躍し始めています。多くの弁理士が知財分野で広範囲に活躍する姿が、一刻も早く社会で周知されるよう期待しております。

地域知財における弁理士への期待や要望も大きく、昨年は、新たに富士宮市、愛媛県、長野県と知的財産支援協定を締結しました。これらの地域知財活動は、全国にある9 支部が中心となり、それぞれ地元の弁理士が大活躍しています。現状では既に、16 の道、県、市と知財支援協定を締結し、弁理士の地域への貢献活動の範囲は益々広がり、かつ重要なものとなっています。

一方では、我々弁理士の生活基盤である、弁理士事務所の充実も必要です。弁理士事務所の基本作業を標準化するなどして信頼性を高める必要があります。また、日本の社会や産業界が大きく変化している現状において、新しい時代の弁理士事務所のありかたについても考えるときです。弁理士制度100 年余りの歴史と伝統で培った優れた部分は残し、しかも時代に沿った合理的でかつ社会的要請に合致した新しい対応も必要になります。この新しい姿は弁理士という職業に今まで以上に魅力があり、優秀な若者が期待を持って参入できる内容である必要があります。このような考えから、弁理士の将来について皆様のお知恵を拝借してより良い姿への展望を開いて行きたいと思います。

皆様の本年のご活躍とご健勝を祈念致しますと同時に、これらのほかにも進行中の活動及び新たな施策について、引き続きご理解とご指導を賜りますようよろしくお願い致します。

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