「模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)」構想について
日本弁理士会
1.経済産業省通商政策局通商機構部より平成19年10月23日(火)に公表された、「模倣品・海賊版拡散防止条約(Anti-Counterfeiting Trade Agreement, ACTA)(仮称)」構想に関し、我が国が関係各国と年内に集中的に協議を開始していく方針について、日本弁理士会は、ここに、全面的な支持を表明致します。
2.模倣品・海賊版の拡散は、知的財産を侵害し、企業等による知的財産の創造サイクルを減退させ、消費者の健康や安全を脅かし、犯罪組織などへの資金源となるなど、知的財産立国を指向する我が国の経済社会は勿論、世界の経済社会に対しても、深刻かつ重大な脅威となっています。
3.このような状況の下で、知的財産の保護の強化、その執行の強化及びそのための国際協力について、国際的な法的枠組を構築することは、国際社会の緊急かつ重要な課題であり、我が国として、本条約構想によりをこれを積極的に推進していくことは、まさに時機を得たものと思料致します。
4.日本弁理士会と致しましても、これまで、民間の知的財産専門家団体の立場から、日本及び海外の模倣品・海賊版問題を改善するために、模倣品・海賊版対策についての調査・研究を行い、提言を行うとともに、国内関係官庁・諸団体などは勿論、海外の国家機関・専門家団体などとも交流し、情報・意見を交換し、連携強化を図ってきたところですが、我が国による本条約構想の積極的な推進の方針を受けまして、これに全面的な指示を表明させて頂きますとともに、このような活動を益々強力に推進していくことを改めて表明させて頂きます。