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記者懇談会・議事録(2005年12月)

平成17年度 第2回記者勉強会議事録

日 時: 平成17年12月14日(水)13:00〜14:20
場 所: 日本弁理士会 3階会議室
テーマ: 産業財産権の基礎知識(特許・実用新案制度)
出席者: 特許委員会担当副会長 富崎元成
特許委員会副委員長  榎本英俊     特許委員会委員  石橋良規
広報副センター長   高橋大典(司会) 広報副センター長 岩田 敏(議事録)

議事

(1) 開催の挨拶(高橋副センター長)
本日の記者勉強会に関する概要・趣旨説明
(2) 担当副会長の挨拶(富崎副会長)
(3) 出願から権利化まで(前半:榎本副委員長)
(1) 特許制度の目的(特許法第1条)
  • 発明の保護と利用
(2) 発明とは(特許法第2条)
  • 発明に該当するものと発明に該当しないもの
  • 発明のカテゴリーに2つ「物の発明」「方法の発明」
(3) 特許を受ける権利
  • 特許を受ける権利の原始取得 → 自然人(発明者)
  • 発明者と出願人の関係
(4) 特許出願を行うには
  • 書類や図面を特許庁へ提出することにより行う
  • 先願主義(早いもの勝ち)
  • 特許庁へ提出する書類(願書等)
(5) 特許出願の流れ
  • 出願公開や審査請求の説明
(6) 特許要件
  • どのようなものが特許になるのか?
  • 新規性や進歩性などの説明
(7) 職務発明について
  • 職務発明の定義(特許法第35条)
  • 法的取り扱い(1項、3項、4及び5項)
(8) 実用新案について(特許との相違)
  • 保護対象 … 小発明
  • 審査 … 無審査登録制度
  • 存続期間 … 出願から10年
(9) 質問
  • 特許要件「公序良俗」の具体例は?
    → 時代とともに変わる(出願内容で変わる)
  • 米国の先発明主義から先願主義への移行の最新情報
    → 来年とのうわさもある
  • 発明の概念は
    → 各国ごとに違う(中国や韓国等では現在プログラム発明は認められていない)
(4) 権利化後(後半:石橋特許委員)
(1) 知的創造サイクル
  • 研究開発→特許権等の取得→特許料の回収→新たな研究開発→…
(2) 権利者がしなければならないこと
  • 特許料の支払い(毎年)
(3) 権利者ができること
  • 権利譲渡,実施許諾や権利行使など
(4) 特許権の権利行使について
  • 差止請求権,損害賠償請求権等
  • 特許権・侵害の定義
  • 差止請求権の説明(現在・将来のため)
  • 損害賠償請求権の説明(過去のため)
  • 第三者ができること(特許無効審判,ライセンス契約や実施中止)
  • 無効審判の説明
  • 具体例(判例:アルゼvsサミーの損害賠償事件)
(5) 実用新案権の特色
  • 存続期間 … 特許権よりも短い
  • 権利行使上の留意点 … 実用新案権者側に損害賠償責任も
(6) 質問
  • 裁判所での特許の有効性についての判断は?
    → 改正特許法104条の3により法律上可能になった
  • 用途特許とは?
    → ダイナマイトの原料である「ニトログリセリン」を心臓病に使用する例など
(5) 補足説明
(1) コンピュータプログラム発明について(榎本副委員長)
→ 元来は著作権で保護だったが、それでは不充分なので特許権でも保護
(2) 職務発明について(富崎副会長)
→ 発明したものは、すべて発明者に原始取得
(6) 閉会の挨拶(高橋副センター長)
平成18年1月に医薬品特許について記者懇談会のお知らせ。
平成18年2月に意匠・著作権について記者勉強会のお知らせ。
以上
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