記者懇談会・議事録(2010年1月)
平成21年度 第5回記者会見議事録
日 時: | 平成22年1月18日(月) 10:00〜11:00 |
場 所: | 東京倶楽部ビルディング 14階A会議室 |
テーマ: | 日本弁理士会会長の年頭挨拶及び中国における最新知財事情等について |
出席者: | 日本弁理士会(7名) 会 長 筒井 大和 副会長 小森 久夫 副会長 水野 勝文 副会長 本多 一郎 広報センターセンター長 高橋 英樹(司会) 広報センター副センター長 福田 伸一 広報センター委員 秦 正則(議事録) |
議事
1. | 開催の挨拶(高橋センター長) |
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2. | 日本弁理士会会長の年頭挨拶(筒井会長) ・弁理士の質の維持・向上(弁理士試験制度の在り方の検討) ・会員サービスの強化(会員総合相談窓口を平成21年12月に開設) ・外国業務への対応強化(国際業務に強い弁理士の養成。外国実務能力の強化及び外国知財団体等との交流強化) ・地域知財支援の強化(後記「4.」も参照) ・中小ベンチャー企業の知財支援強化 ・広報活動の強化(広報センターの附属機関化) ・ビジネスサポートセンターないし知財総合センター(仮称)の設立 | ||
3. | 中国における最新知財事情(水野副会長) ・中国において、知的財産権はイノベーション型国家を構築させる上での重要な支持及び発展上の主導権を得るための鍵と考えられている。自国の産業競争力を拡大するため、技術経営知識の向上、知財人材の増員を図っている状態である。 ・法改正により、判断基準も世界基準をベースにするようにしている。 ・遺伝子や植物等といった地域固有の技術の保護強化を図っている。また、遺伝子関連技術については、違法入手のものは特許しない(自国保護にも繋がらない)。 ・並行輸入や、製造認可のための医薬品製造等は侵害とみなさない。 ・なお、日本人等が中国国内で発明した場合、中国国内での秘密審査が実施されることになる。 |
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4. | 「日本弁理士会会設 青森事務所」の開設について(小森副会長) ・弁理士が都市部に偏在している一方、地域の方々に密着して実のある知財支援活動を行うためにはその地域で日々活動する弁理士が必要であり、平成21年4月に青森県との間で「地域の活性化と産業振興のための協力協定」を締結したのを基に、常在弁理士不在の青森市に会設事務所を設定した。なお、会設事務所については、日本弁理士会としては初の試みである。 ・事務所費用(家賃、光熱費等)は日本弁理士会側で負担する。2名の運営弁理士が、当面は交代で一定期間毎に常在して活動する。また、日本弁理士会東北支部も積極的にバックアップを行う。 ・弁理士の質の維持・向上(弁理士試験制度の在り方の検討) | ||
5. | 質疑応答 (1)中国における知財事情について、遺伝子関連の保護を中心にもう少し詳しく説明していただけるか(知財制度的に中国独自の特徴もあれば)。 → 前記したように、遺伝子関連について違法入手のものは特許にしない(分配が当事国にないものを保護する必要もないという観点から)。 → 製造許可申請、臨床試験(いわゆる「試験研究のための製造」的なもの)については特許の効力外としている。 → 他国では、例えば、インドやブラジル等、生物多様性条約での対応をしているところもある。 → 強制実施権(例えば、インフルエンザ等で特に必要な場合)については、中国も導入している。ただし、これも、他国でも導入しているところはあるが。(以上、水野副会頭回答) (2)IPサミットについて、具体的にはどのようなものか。 → IPA会長(キャスパー氏)が主導する、権利行使というよりは権利取得に関するディスカッションである。(以上、筒井会長回答) ・審査では特許調査に近いことを行い、特許になる蓋然性のある発明を判定基準としている。 (3)青森県内の常在弁理士はどのような状況か。他県(の県庁所在地)について、常在弁理士がいないところはあるか。また、そのようなところに今後会設事務所を設置する予定はあるか。 → 青森市は主たる事務所がゼロである(八戸市には主たる事務所がある)。他の県については、例えば、佐賀市が主たる事務所はゼロである。なお、会設事務所設置には県からの要請、支部からの要請等の要件を具備する必要がある。(以上、小森副会長回答) (4)弁理士試験制度の在り方についての説明があったが、具体的なテーマ等はあるか。 → テーマとして「弁理士資質の維持」及び「国際性」を考えている。弁理士試験に早期に反映できるように、現在検討している。(以上、筒井会長回答) |
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6. | 日本弁理士会からの連絡(高橋センター長) ・平成21年度パテントコンテスト及びデザインパテントコンテスト(文部科学省、特許庁、弁理士会、(独)工業所有権情報・研修館主催)の結果説明。 | ||
7. | 閉会の挨拶(高橋センター長) |
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(配付資料) ・平成22年度 事業計画概要 ・筒井会長の新年のご挨拶(「パテント」より) ・「国家知的財産権戦略綱要」、及び国家工商行政管理総局の「『国家知的財産権戦略網要』の徹底的な履行による商標戦略実施の強力な推進に関する意見」配布に関する通知(工商標字〔2009〕108号)(国家工商業性管理総局)(ともに、日本貿易振興機構北京センター知的財産権部HPより) ・「日本弁理士会会設 青森事務所」開設について ・「平成21年度パテントコンテスト募集」チラシ ・「平成21年度デザインパテントコンテスト募集」チラシ ・平成21年度パテントコンテスト及びデザインパテントコンテストの概要 |