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記者懇談会・議事録(2010年3月)

平成21年度 第6回記者会見議事録

日 時: 平成22年3月10日(水) 10:00〜11:00
場 所: 弁理士会館 2階会議室
テーマ: 知的財産の証券化等について
出席者: 日本弁理士会(5名)
 副会長  正林真之
 執行理事 稲岡耕作
 副会長  本多 一郎
 広報センターセンター長  高橋 英樹(司会)
 広報センター副センター長  福田 伸一
 広報センターセンター員  岩田 敏(議事録)

議事

1. 開催の挨拶(高橋センター長)
2. 稲岡執行理事の挨拶
広報センターは来年度から「附属機関」になる旨の報告
3. 正林副会長の説明
(1)知的財産の証券化とは(定義の紹介)
(2)知財の証券化のメリット
 @資金調達について
  企業の規模にかかわらず、高い技術(特許)を持つベンチャー企業に対して資金調達が可能となる。
 A新たなネットワークの創出について
  研究者と企業、投資家をつなげることにより、産業の発展を促すことができる。
(3)知財証券化の「3つの下地」
 @信託法の改正について
  知的財産も信託可能(平成16年12月改正)
 A価値評価
  ・「発明(技術)の価値」と「市場の価値」は異なる。
  ・先端技術は陳腐化しやすいが、ローテク(例えば、ストローの曲部など)は変わらずに使用されることが多い。
  ・但し、医薬・バイオ・材料分野では、技術的価値(発明の価値)=市場価値
 B流通性
  ・特許には流通市場がない。
  ・特許オークションはあるが、特許を自由に売買できる市場がない。
(4)知財の信託について
 ・価値評価について
  休眠特許も価値評価しないといけない。
 ・1個の特許で技術を完全に保護できない → パテントプールで管理必要。
   ・信託目的による拘束を受ける
   ・技術の保全(一般的にノウハウは社長のみ、→ 社員が知れば独立の危険性有)
   ・パテントプールについて
   窓口を1つにすることを目的 = 著作権管理(JASRAC)
   ・資金調達型信託
   ・技術は陳腐化する。→ 投資しにくい
(5)管理型信託の事例紹介
 ・中小企業は、中国の模倣に対応できない。
 ・信託財産にする
 ・管理は、提携法律事務所(又は特許事務所も可)
 ・知財コンサルティングも有り
(6)知財証券化の流れ
 ・証券化の黎明期
 ・将来の問題に対する対応は不得意
(7)知財証券化の問題点について

4. 質疑応答
(1)政策的な動き(背景・公的)があるのか?
  [回答]
   ・ないこともない。
   ・技術の流出に対して、個々の対応ではだめ。集団で対応しなければならない。
(2)価値評価の実証例は?
  [回答]
   ・著作権 安定収益
   ・特許権 安定しない ノウハウと一緒で価値なので、特許だけの価値は出しづらい
    → TLOに投資すればよいので矛盾がないか?
  [回答]
   ・会社又は発明者から信頼されない(技術がすべて開示されない)。
   ・このため、信託法を活用する必要がある。
5. 閉会の挨拶(高橋センター長)
 
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