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記者懇談会・議事録(2010年4月)

平成22年度 第1回記者会見報告書

日 時: 平成22年4月12日(月) 10:00〜11:00
場 所: 東京倶楽部ビルディング14F 14−A会議室
テーマ: 日本弁理士会執行役員会活動方針等について
出席者: 日本弁理士会(8名)
会長     筒井 大和
副会長    稲岡 耕作
執行理事  青山 仁
広報センター
 センター長     福田 伸一
 副センター長    高橋 英樹(司会進行)
 第2事業部部長  秦 正則(議事録)
 運営委員      齊藤 誠一
 運営委員      菊池 保宏

議事

1. 開催の挨拶(高橋副センター長)
2. 稲岡副会長の挨拶
3. 筒井会長の挨拶
今年は2年任期の2年目。昨年(1年目)は仕込み、今年は仕上げの位置付けである。
(1)弁理士試験制度の検討
 ・昨年は813名合格。登録者数も今週(4月第3週)で約8500人となる。
  弁理士の質の維持、弁理士試験制度の在り方を検討するため、
  弁理士会内に委員会を設置した。会員等にもアンケートを募る。
 ・昨年の特許出願件数が10%以上減少していたことからも、人数とのバランスを考え、
  新規参入者にも夢を持てる業界作りをしたい。
(2)知的財産ビジネスサポートセンター(仮称)の外部機関としての設立
 ・弁理士法改正により業務範囲が広がり、それによる新規周辺業務の取り込みを図る、
  キャリアパス的な位置づけ。
 ・国家事業への関与(例:京都大学のiPS、東北大学のTRセンター等)。
 ・小規模事務所等へのバックオフィス機能を持たせるようにしたい。
(3)地域知財・中小ベンチャー企業の支援の強化
 ・山口県と支援協定の締結予定(会設事務所の増設検討)。
 ・地域知財の繁栄には、地元の盛り上がりも必要である。
(4)広報センターの附属機関化
 ・本年度よりスタートした。
 ・弁理士は宣伝・広告下手のイメージもある。対外広報のほか、対内広報も充実させる。
(5)弁理士のサービス価格の検討
 ・弁理士法改正により料金表が撤廃されて約10年が経過し、
  今では料金表の存在自体を知らない会員が半数を占めている。
  プロパテント時代に相応する料金体系のあり方を考えていく。
(6)会員総合相談窓口の充実
 ・これまでに相談件数は60件超。事務所経営(引き継ぎ、廃業等)に関する相談が多い。
(7)質疑応答
 ・地域知財の支援協定は、弁理士の人数が少ない地域を対象に行っているのか。
  →基本的にはそうしている。島根県でスタートして今年で10年目となる。
 ・やっていない地域を教えて欲しい。
  →(やっていないところを挙げるときりがないので、実施したところを列挙した後)、
   少ない地域だけでなく、横浜、川崎等の大都市とも協定を結んでいる。
   これらの大都市は、弁理士の人数が少ない地域とは違うアプローチとなる。
 ・支援協定の内容を教えられる範囲で。
  →地域が自立できるよう、会として組織的に関与。費用、予算取りは県(市)で行う。
   講師派遣の場合の費用は県(市)で負担する。
   なお、交通費等を弁理士会で負担する等、会もかなりの費用を負担している
   (本件について、福田センター長が回答)。
  →地域協定を締結するにあたり、その地域のブランドの質等の基準はあるか
   (それなりの名産品等があるところと締結するのかという意で質問したと思われる)。
  →特にそういう基準はないが、知財に対する明確な意思表示が重要と考えている。

4. 特許制度研究会における意見書及び提言(福田センター長)
(1)特許庁長官の私的懇談会である特許制度研究会には、弁理士も参加し、
  サポートチームを形成している。
(2)「権利の活用促進」「多様な主体な主体の利用に即したユーザーフレンドリーな制度」
  「紛争の効率的な解決」「保護の適切なバランス」等を柱と考えている。
  一方、日本国内では、ダブルトラックの問題で権利の安定性が阻害されていること、
  また、特許侵害訴訟件数の件数からわかるように、特許制度に対する信頼感が
  揺らいでいることが問題となっている。さらに、世界的な傾向からずれた審査基準により、
  特許の基準が不明確となっていることも問題となっている。
(3)ダブルトラックの問題については、ダブルトラックが問題か、あるいは特許が無効にされることが
  問題か、ということが言われており、また、特104条の3の規定自体に問題があるという意見もある
  (資料の「IV」及び下記の具体的な提言を参照)。
(4)弁理士会としては、具体的に、「無効審判制度と無効抗弁の改革案」「付与前審査協力制度」を
  提言している(詳しくは(資料の「VII」)及び資料終わりのスライド資料を参照)。
   ・「無効審判制度〜」については、例えば、特104条の3をより制限的なものとしたり、
    規定自体を廃止すべきという意見がある。それが難しい場合は、無効抗弁が
    裁判所でなされた場合には、裁判所が、無効の判断を特許庁に求めるのか
    裁判所のみに求めるのかを当事者に問うようにする制度を採用する、という意見もある。
   ・また、ダブルトラックは問題ないが、無効審判と無効抗弁の両方を用いるのは
    無駄ではないか等の意見もある。
   ・「付与前審査協力制度」は、具体的には、拒絶理由がない場合、特許予告し、
    所定期間内に情報収集をした後集中審査し、特許性を判断するようにする。
    なお、特許予告時まで守秘義務解除等、周辺規定の整備が必要である。
(5)なお、資料は弁理士会HPから入手可能である。
(6)質疑応答
   ・付与前審査協力制度については、いつ頃から導入されそうか。
    →あくまでも「提言」であるので、採用されるかどうかも不明である。
   ・日本知的財産協会(知財協)の反応は。
    →正確には把握できていない。個人レベルであるが、ダブルトラック等は
     現状のままでよい等の声もあるようである(本件について、筒井会長が回答)。
5. 閉会の挨拶(高橋副センター長)
 
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