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記者懇談会・議事録(2010年6月)

平成22年度 第2回記者会見報告書

日 時: 平成22年6月17日(木) 10:30〜11:30
場 所: 弁理士会館2F 2−AB会議室
テーマ: 歴史上の人物等の商標登録について
弁理士菅直人氏の内閣総理大臣就任について等
出席者: 日本弁理士会(9名)(敬称略)
副会長    稲岡 耕作  鈴木 一永
執行理事  青山 仁    今井 貴子
商標委員会
 副委員長     石井 茂樹
広報センター
 副センター長   高橋 英樹
 第2事業部部長  秦 正則(司会進行)
 運営委員     茅野 直勝(議事録)

議事

1. 開催の挨拶(秦第2事業部部長)
2. 歴史上の人物等の商標登録について(石井商標委員会副委員長)
(1)歴史上の人物名「吉田松陰」についてされた商標登録が、萩市が申立てた登録異議申立により、
 登録を取消された事件等を契機として特許庁は基準作りに着手した。
(2)商標法における従来の「人名」の取り扱いについては、商標法第4条第1項第8号は
 「現存する者」のみを対象としていることから、「著名な死者」の氏名に関しては、
 旧商標審査便覧42.119.02を変形使用する形で商標登録可否のメルクマールとしていた。
(3)今後は新たな基準として、商標審査便覧42.107.04が用いられることとなり、
 以下6つの要件を吟味して登録の可否を決定することとなった。
 @当該歴史上の人物の周知・著名性
 A当該歴史上の人物名に対する国民又は地域住民の認識
 B当該歴史上の人物名の利用状況
 C当該歴史上の人物名の利用状況と指定商品・役務との関係
 D出願の経緯・目的・理由
 E当該歴史上の人物と出願人との関係
  その結果、特に「歴史上の人物の名称を使用した公益的な施策等に便乗し、
  その遂行を阻害し、公共的利益を損なう結果に至ることを知りながら、
  利益の独占を図る意図をもってした商標登録出願」と認められるものについては、
  公正な競業秩序を害するものであって、社会公共の利益に反するものであるとして、
  商標法第4条第1項第7号に該当するものとする。
(4)この新基準に対する評価は弁理士によって区区である。具体的には以下のような意見がある。
 @従来、取扱が審査官・審判官によって異なっていた部分が、
   ある程度統一化されるのではないか。
 A地域産業の阻害行為を未然に排除することが可能となる。
 B人物名の周知著名性・利用状況ばかりに着目するのは妥当でない場合も考えられるが、
   そのような場合、どうやって登録を認めていくか。
 C現実に商標として機能している場合は、従来より保護されやすいように
   取り扱うこともできるのではないか?
(5)質疑応答
 Qこの話はいつ頃からのものか。
 A去年(2009年)の10月頃かと思われる。
 Q海外ではどのような取り扱いであるか。条約などに規定等があるのか。
 A条約等で本件に関し国際的なものはない。
  ドイツ等では「欺瞞的な商標の場合」に拒絶しているようである。
 Q不正競争防止法にも影響があるか?
 A商標法に関する基準の改定であるので影響はないと思われる。
  (以上、石井商標委員会副委員長が回答)。

3. 会員菅直人氏の内閣総理大臣就任について及び弁理士の日記念事業について(稲岡副会長)
(1)第94代内閣総理大臣に就任された菅直人氏は、現役の日本弁理士会会員であることが
説明された。
現役の弁理士会会員が内閣総理大臣となったことは今回が初めてであることが説明された。
また、日本弁理士会の会誌である「月刊パテント」(1997年Vol.50 No.6)に掲載された
当時の菅直人会員の記事について説明されるとともに、その人となり等が併せて説明された。
(2)7月1日の「弁理士の日」記念事業について説明された。
日本全国で「全国一斉無料知的財産相談会」、  「記念講演会」、
中小企業・起業家等を対象とした「セミナー」等が催されることについての説明がされた。
(3)質疑応答
特になし

4. 閉会の挨拶(秦第2事業部部長)

(配付資料) (1)歴史上の人物名等の商標登録について(石井副委員長作成の資料)
(2)会員菅直人氏の内閣総理大臣就任について
 ・月刊パテント1997 Vol.50 No.6
  掲載内容「特集インタビュー:政治家として、財界人として、また文化人として」
(3)「弁理士の日」記念事業について
 ・全国一斉無料知的財産相談会チラシ(全国45ヵ所)
 ・北陸支部:(富山会場)セミナー「中小企業における知財戦略(基本)」チラシ
         (福井会場)セミナー「中小企業における知財戦略(基本)」チラシ
 ・関東支部:起業家・中小企業のための知財・起業セミナーチラシ
 ・東海支部:「弁理士の日」記念 知的財産イベント2010チラシ
 ・近畿支部:「弁理士の日」記念講演会 環境技術が創る未来チラシ
 ・滋賀地区:「弁理士の日」記念講演会及び発明工作チラシ
 ・京都地区:「弁理士の日」記念講演会チラシ
 ・兵庫地区:(あわじ会場) 全国一斉無料知的財産相談会チラシ
         (ささやま会場)全国一斉無料知的財産相談会チラシ
 ・奈良地区:全国一斉無料知的財産相談会チラシ
 ・和歌山地区:全国一斉無料知的財産相談会チラシ
 
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