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記者懇談会・議事録(2011年12月)

平成23年度 第7回記者会見報告書

日 時: 平成23年12月20日(火)13:30〜14:30
場 所: 弁理士会館3階 3−AB会議室
テーマ: 日本弁理士会による中小企業等支援について
出席者: 日本弁理士会(4名)
副  会  長             井上 誠一(スピーカー)
副  会  長             井澤  幹
関東支部 中小企業支援委員会 委員長  吉村 俊一(スピーカー)
広報センター 副センター長       鈴木 一永(司会・議事録)

議事

1.開会の挨拶(鈴木一永会員)
2.説明(井上誠一会員、吉村俊一会員)
(1)出願等援助制度の拡大について
●特許出願等援助制度とは
・ 特許出願をする人の手数料(弁理士費用と審査請求料)を日本弁理士会が援助するもの。
・ これまで⇒出願支援対象は特許のみ
・ これから⇒出願支援対象は特許に加えて、実用新案権、意匠権にも拡大されることとなった。
・ (平成23年12月9日の日本弁理士会平成23年度第1回臨時総会で承認)
・ この制度そのものは、県庁等の自治体に既に広く知れ渡っている。
●制度の目的
・ 社会的に有用であり、かつ大きな効果が期待できる、発明や考案、意匠の創作が、発明者等の経済的な事情により世の中に埋もれてしまうことを、日本弁理士会が援助を行うことで防止する(考案と意匠については、今回から拡大された)。
●制度の対象者
・ 出願等の費用を支払うことが困難である下記。
→ 個人
→ 中小企業
→ 大学等の研究機関等
●審査
・ 主に下記の2点に着眼し、審査を行っている。
→ 資力的な要件についての審査
→ その発明等の有用性についての審査
●弁理士の選定
・ 本制度を利用する場合、最終的に特許出願をする弁理士が最終的に必要となってくる。この弁理士は日本弁理士会が選ぶのではなく、弁理士ナビ等を用いて本人に決定していただく(総合的知的財産支援との相違点)。
●援助費用
・ 下記の2点を日本弁理士会が負担する。
→ 弁理士の手数料。上限30万円
→ 審査請求料。15万円程度
●今後の見通し
・ ・ 特許に加えて、実用新案、意匠についても援助を行っていくことから、今後さらに利用が増えるものと思料している。



(2)総合的知的財産支援について
●支援の目的
・ 知的創造活動
・ 知的財産権の取得活用に資する
●支援の対象
・ 中小企業、公益的な研究所・大学等の研究機関など、具体的には下記。
→ 出願の経験がない者
→ 出願経験が浅く、ご本人で出願を行っている者
→ 地震が有している知的財産権の評価を受けたことがない者
●支援の内容
・ 知的財産権の出願に関する指導
・ 既に有している知的財産の評価
→ これまでは、破産した会社等の知的財産権における価値評価をした実績はあるが、本支援では、通常の営業をしている会社等の知的財産権における価値評価を行う。
●費用
・ 出願等援助制度と同じく、上限30万円を想定している。
・ ・ なお、成功事例がでてきた場合は、金融機関等との連携も検討する予定であるが、当面は日本弁理士会が費用を負担する。
●弁理士の選定
・ 出願等援助制度が、制度の利用者本人が弁理士を選定するのに対し、本制度では日本弁理士会が弁理士を選定する。
●今後の見通し
・ 現在、日本弁理士会関東支部が出張型の発明相談を企画し、本制度を利用する予定。



(3)弁理士サポートプロジェクト(弁理士チーム派遣)
 本年度4月に立ち上がった「関東支部 中小企業支援委員会」において、検討している。
●3つの目標
1. 中小企業に元気になってもらいたい 知財に基づいた事業をできないか(社会貢献活動の一環として)
2. 弁理士は、従来は出願から権利までの流れに携わっていたが、知財コンサルのようなとしてもう少し幅を広げ、中小企業をより支援したい
3. 関東支部から支部会員に情報を発信して、中小企業を支援するための関東支部会員の知識、ノウハウをより適切に対応できるようにする
●弁理士チームサポートプロジェクト4つの特徴
1. 弁理士がチームを組んでの支援
→ 中小企業のビジネスにかかわる、幅広い分野についての支援となるので1名の弁理士ではなく、多様なものに充分対応できるように、専門分野の異なる複数名の弁理士によって多角的支援を目標とする。
2. 一貫支援
→ 創造・保護・活用のすべてにわたって、チームで支援する。
→ 企業のトップシークレット(新技術)の創造から関わることから、企業の将来を左右すると言える。スピーカーの私見だが、一貫支援のなかでも特に、最初が肝心であると思料する。
3.費用を日本弁理士会が援助する。
→ 先述の出願等援助制度を利用して、費用的な支援を行う。
4.特許出願をはじめて行う企業、弁理士ビギナー企業
→ ベンチャー企業等を想定している。
●一貫支援の流れ
STEP1.創造(プロデュース)
STEP2.保護(従来から弁理士が得意とする分野)
STEP3.活用(成果)
成果に結びつく支援を行っていく。
●現状の報告
・ 既に、関東経済産業局等に周知を行っており、同局のホームページにもすでにアップされている。直近の活動としては、1都7県の商工労働部に委員会が出向き説明を行っている。



3.質疑応答
(1)日本の特許出願件数のうち、中小企業の占める割合は?
  おおよそ5パーセント以上10パーセント未満
(2)傾向として、出願件数の増減はどのようになっているのか
  相対的に言えば減っている。理由は、全体の数が減ってきているため。
(3)今般の出願援助活動は、中小企業の特許出願件数を増やそうというのが目的か
  そうです。
(4)創業間もない中小企業の定義は
  設立後5年乃至7年程度
(5)中小企業の定義は?
  中小企業基本法に規定されている中小企業を指し示す。
(6)枠はどのくらい確保しているのか。
  1件につき45万程度を推定している。
  今年度予算は1000万円(30件程度)であり、平成23年度では援助件数が11件。 年々増加傾向にある。
(7)今回の出願等援助規則の支援対象について拡充した内容は、いつから適用か。
  12月9日総会決議を経ているので、この日を持って適用とする。


4.閉会の挨拶(鈴木一永会員)


 
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