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令和3年 日本弁理士会会長 新年のご挨拶
新年のご挨拶
日本弁理士会会長 清水 善廣
新年明けましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けWHOがパンデミック宣言をし、そして我国においても緊急事態宣言が発令され、東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定されるなど新型コロナに翻弄された一年間でした。 日本弁理士会は知的財産に関する専門家の立場から、コロナ禍においても、世界最速、最高品質を誇る我国特許庁の知的財産システムを維持するための協力をしてまいりました。 新型コロナ感染症対策としては、昨年に引き続き、災害対策本部、特許制度運用協議委員会、国際活動センター、会長室等との連携のもと、特許庁、海外知的財産庁、各種補助金・助成金等の情報を収集し、適時情報発信してまいります。これまでに得られた経験、知見を活かし、知的財産システムの維持に貢献できるよう、しっかり協力してゆく所存ですので、会員の皆様のご理解、ご協力を宜しくお願いいたします。
内閣府の知的財産戦略本部が策定した知的財産推進計画2020では『~新型コロナ後の「ニュー・ノーマル」に向けた知財戦略~』というサブタイトルが付され、知財戦略もニュー・ノーマルを見据えた策定が必要となってきています。そして、ニュー・ノーマルを見据え、デジタル庁の創設が進められています。我々を取り巻く知財の世界も加速されたデジタルトランスフォーメーション(DX)を始め、いままで経験したこともない新しい時代に突入してゆくことが予想されます。行政手続きのデジタル化も加速されることが予測されますところ、日本弁理士会としましてもそれに対応するための準備を積極的に進めて行きたいと思います。加えて、日本弁理士会組織自体のDXの促進、テレワークによる働き方改革を進めるとともに、会員への情報発信もしてまいります。
日本弁理士会では「新時代の知財立国を切り拓こう」をスローガンに、全国の金融機関、中小企業支援機関、他士業、アカデミア、或いは、多様な分野で活躍する弁理士同士の連携による弁理士絆プロジェクトを事業の中心に据え、弁理士の活躍による令和の時代における知財立国の実現を目指しています。この弁理士絆プロジェクトは、このような連携を通していままで弁理士にアクセスできなかった中小企業にもアクセスの機会を広げ、幅広い分野での知財の掘り起こしを通じて中小企業を支援することも目的としています。
このような取り組みを始めとする中小企業支援を日本弁理士会では積極的に行っていますが、その一環として新型コロナによる売上減のために特許等の出願料に苦慮される中小企業を対象とした出願支援を昨年10月より展開しています。会員の皆様の会費を原資としている関係で予算に限りはありますが、身近にそのような中小企業がございましたら、ご利用を勧めていただきたいと思います。ご協力を宜しくお願いいたします。
ニュー・ノーマルの時代は、地域への分散化の観点から地域知財の活性化の重要性が益々増してゆくものと思います。日本弁理士会では地域知財活性化本部を設け、福島プロジェクトを立ち上げ震災復興の観点から重点的に取り組んでいます。また、弁理士絆プロジェクトにおいては、地域金融機関との連携も進めてまいりました。これらの取り組みの成果として、自地方治体や地域金融機関との協力協定も進みました。今後も北海道会、東北会、北陸会、関東会、東海会、関西会、中国会、四国会、九州会と全国に亘る9つの地域会と協働して地域知財の活性化を更に進め、地方創生にも貢献してまいりたいと思います。全国各地域会のご協力を本年も引き続き宜しくお願いいたします。
執行部では、令和元年度の臨時総会決議に沿って、令和3年の通常国会において1)農林水産関連の知的財産に関する業務を弁理士業務とすること、2)社員一人による特許業務法人の設立を認める「一人法人制度」を導入すること、3)法人名称を「特許業務法人」から「弁理士法人」とすることの法改正の実現を目指しています。皆様方のご理解、ご支援を宜しくお願いいたします。
現執行部の任期も残すところあと3か月を切りました。令和3年が希望に満ちた年となるよう、残る任期も全力で会務に邁進してまいります。本年も引き続き会員の皆様のご理解、ご支援、ご協力を賜りますよう宜しくお願いいたします。