会長あいさつ・意見・声明
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令和6年度 会長就任2年目のご挨拶
日本弁理士会会長 鈴木 一永
令和6年4月1日より、日本弁理士会会長に就任して2年目に入りました。日頃より、日本弁理士会の会務にご理解とご協力をいただき心から感謝申し上げます。
さて、令和5年度は、新型コロナの位置づけが2類相当から5類相当に緩和されたことを契機として、日本中で社会生活スタイルをコロナ前の状況に戻す様な各種の取り組みが行われました。かかる中、日本弁理士会としては「将来の安定性を確保するための礎を築きます!」というスローガンを掲げて、各政策を進めて参りました。本年度は、前年度の活動を踏まえつつ、中長期的に持続可能で安定した弁理士業務を確保するため、引き続き会の土台となる礎を築きつつ、特許庁をはじめとした知財関連団体との関係をより強固なものとして、弁理士人材の育成・強化を図って行きたいと考えております。
尚、本稿の作成時には、令和6年度の事業計画が確定していないため、実際には、以下の事業計画案と異なる点が生じる可能性があることをご了承ください。
1 はじめに
昨年度は、「特許庁等の関連団体との連携」、「知財創造教育の強化」等をはじめとした既存施策の5項目、「情報収集・分析」、「事業の棚卸し」等をはじめとした新規施策の5項目を重点施策として種々の活動を進めて参りました。この活動を踏まえつつ、本年度はその活動を引き継いで、以下の10項目の重点事項を中心とした施策を実行していきたいと考えております。
2 具体的な施策
(1)「知財経営支援ネットワーク」の構築強化に向け活動を推進します。
令和5年3月に、特許庁、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)、日本商工会議所及び日本弁理士会の四者により、「知財経営支援ネットワーク」の構築に向けた共同宣言を行っております。昨年度はこの共同宣言を契機として、特許庁及び各地域の経済産業局、各地の商工会議所、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)、及び日本弁理士会各地域会の各組織間の情報交換を密にすることに注力してまいりました。本年度は、構築されたネットワークを活用することにより、各地域の中小企業、ベンチャー・スタートアップ企業への知財支援を各地域の実情に合った形ですすめていく所存です。
(2)生成AI時代における弁理士の業務を模索します。
生成AI時代における新たな環境への弁理士業務の適応が急務であることに鑑み、引き続き情報収集を行うとともに、AIに関する種々の研修を開催します。また、生成AIの利用にはリスクがあることに鑑み、利用に係る指針の策定に向けて準備を進めます。
(3)弁理士の活躍が期待されている業務への対応
標準化戦略人材や企画開発・交渉人材として、弁理士の活躍が期待されていることから、引き続き関係省庁との意見交換を行うなどして、弁理士が活躍するための具体策を提案します。
(4)農林水産分野における取組を強化
農林水産分野における取組を強化するため、引き続き関係省庁との意見交換を行うなどして、弁理士が活躍するための具体策を提案します。
(5)知的財産の国際的な保護・活用の促進
弁理士の強みの一つとして、海外進出支援など、グローバルなビジネスサポートができることが挙げられます。この弁理士の強みをより強化すべく、国際関係活動の拡充を進めます。
(6)知財関連情報収集とその分析
令和5年度に収集した情報の整理、蓄積方法等を検討します。また、情報収集の目的、情報収集ルートの確立、収集した情報のデータベース化等を検討します。
(7)2025年大阪・関西万博の共創パートナーとしての取り組み
2025年大阪・関西万博の共創パートナーとして、その開催に向けて、関係官庁、関連団体等の外部団体との連携及び協力を強化します。
また、外部に対して、日本弁理士会の万博支援に関する周知活動を引き続き行います。
(8)ⅮE&Ⅰの取り組み
昨年に引き続きⅮE&Ⅰを推し進める活動を行います。
(9)キッザニアの取り組み
令和6年3月にキッザニア東京での弁理士ウィークを実施いたしました。本年度も引き続き、キッザニア福岡、キッザニア甲子園での弁理士ウィークの実施を検討していきます。
(10)その他
弁理士法人への弁理士以外の者からの出資禁止規定の検討など、弁理士法をはじめとする弁理士関連諸規定等の整備を検討していきたいと思います。
以上に示した重点施策以外にも、従前から行っている各種事業を進めて参ります。かかる事業を進めるためには、会員の皆様に各事業の必要性をご理解いただき、ともに実行していただくことが不可欠であると考えております。そのためには、広く役員会内外から集まる各種の情報を会員の皆様と共有し、ともに考え、ともに実行していきたいと思います。
我々弁理士が知的財産の側面から我が国の経済・産業の発展を支援することにより、社会・経済発展の一翼を担うことができるように、前記各事業を進めていきたいと思いますのでご支援ご協力を宜しくお願いいたします。
以上