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第11回 特許出願の数は、かなり多いのでしょうか?
出演 弁理士:鈴木一晃先生 進行:富山幸代
2015年の一年間での出願件数は全国で約32万件です。
この10年で特許出願の件数は減ってはいるのですが、それでも沢山の出願があります。日本は技術力のある国ですので、世界でもトップレベルの発明大国です。
ラジオトーク
富山 日本弁理士会プレゼンツ「こちら知的財産相談室」の時間です。みなさん、こんにちは。進行役の富山幸代です。この番組は、普段あまり聞きなれない「弁理士」という仕事について紹介しながら、知的財産にまつわる事柄を相談できる人が身近にいるといかに心強いか、これを弁理士の方への相談を通して理解を深めていく番組です。今週の番組の回答者は、日本弁理士会広報センターの鈴木一晃さんです。
鈴木 こんにちは。日本弁理士会広報センターの鈴木一晃です。
富山 鈴木さんこんにちは。よろしくお願いします。
鈴木 よろしくお願いします。
富山 前回鈴木さんにどのような発明が特許権を取れるかについて、分かりやすく教えて頂きました。意外なほど身近にアイデアが転がっているのにはびっくりしました。
鈴木 本当ですね。普段の生活のなんてことはない工夫が、実は大発明だった。そんなこと思いもしませんよね。
富山 そこでふと思ったのですが、となると特許権の申請というのは、私たちが思っているよりもはるかに多いのではないですか?
鈴木 正式には「特許出願」というものですが、確かに多いと思います。
富山 特許出願というと、発明家か企業というイメージがまず頭に浮かぶのですが。
鈴木 確かに企業からの出願件数が多いですね。特許出願は2015年の一年間で全体で約32万件です。そして特許権として登録されたものが約19万件です。今から10年前は出願件数が約41万件で特許権の登録件数が約14万件ですから、出願件数は10年前に比べて二割程度減少していますが、特許権の登録件数は逆に3割ほど増えています。昔に比べて今の方が特許権を取得しやすくなっているんですよ。最近は日本から外国に特許出願するケースも増えています。日本はご存じのとおり技術力のある国ですので、世界でもトップレベルの発明大国なんですよ。
富山 へえ、そうなんですか。特許出願というと大企業からの出願が多いと思いますが、個人の方の出願件数はどの程度なんでしょうか。
鈴木 2015年では全体の出願件数のうち約8500件が個人の出願です。
富山 驚きですね、そんなに多いとは。
鈴木 特許出願の件数に対する特許権の登録件数の割合は増えていて、以前に比べて、特許権を取得しやすくなっています。特許権を取得して何かを始めようと思っておられる方には今がいい時期だと思いますよ。
富山 個人で特許権を取得した場合の成功例とかは、今までにあるんですか?
鈴木 そうですね。身近な所では洗濯機の糸くずなどを取るくず取りネットなどがあります。くず取りネットは主婦が考案したもので、この主婦には特許権によって数億円の収入があったと聞いています。ただ特許権を取得したから、すぐに儲かるというわけではなく、特許権だけでは儲からないケースがほとんどです。特許権はあくまでもビジネスのツールのひとつであると考えてもらったほうがいいですね。
富山 はあ、驚くばかりですね。主婦の考えたアイデアで世の中を大きく変えることが出来るんですね。
鈴木 そうなんです。常日頃「こんなものがあれば便利だなぁ」と思ったことが、実はすばらしい発明な可能性があります。ご自身が欲しいと思われるものは、他の方も欲しいと思う可能性が高いですからね。ちょっとした思いつきでも、私ども日本弁理士会にご連絡いただければ専門の者が対応します。日本弁理士会には無料の相談室がありますので、まずはこちらを御活用ください。詳しくは日本弁理士会ホームページをご覧ください。
富山 鈴木さんありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。
鈴木 ありがとうございました。
富山 なお、今日のこの番組は番組ホームページでいつでも聞くことができます。「弁理士 ラジオ」で検索してください。こちら知的財産相談室、この番組は日本弁理士会の提供でお送りしました。また次回をお楽しみに。お相手は富山幸代でした。