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第18回 登録が難しいなと思うような「商標」はありましたか?
出演 弁理士:大塚啓生先生 進行:富山幸代
あります。例えば「大手町温泉」です。
地名とサービスの一般名称が組み合わさった商標は、誰もが使いたいですので、原則的に登録が認められません。ただ、例外的に認められることがあります。そのためには…
ラジオトーク
富山 日本弁理士会プレゼンツ「こちら知的財産相談室」の時間です。こんにちは、富山幸代です。この時間は、日常生活での出来事や、身の回りのものを通じて、知的財産の意味や大切さを学ぶ番組です。今週の番組の回答者は、日本弁理士会広報センターの大塚啓生さんです。
大塚 こんにちは、弁理士の大塚啓生です。
富山 よろしくお願いします。前回前々回と商標について教えていただきました。私たちは普段商標に囲まれて生活しているんですね。会社名、ブランド名、ロゴ、企業のキャラクターに至るまで、すべて商標登録されていたとは考えもしませんでした。
大塚 そうですよね。現代社会においてはなくてはならないものといえると思います。
富山 これがなくては生活ができないと思ってしまいました。
大塚 実際に生活できないといっても過言ではないと思うんですよ。富山さんに逆に質問です。 私たちは情報社会というかいわゆる情報がないと生きていけない社会で生活しているわけで、身近なところでいえば天気予報1つにしても、それがわからないと今日傘を持って行っていいのかもわからないですよね。 富山さんは日常どのようにして情報を手に入れてますか?
富山 ものにもよりますけど最近はインターネットが多いですね。
大塚 そうですよね、インターネットやTVラジオもあると思うんですけど、こういった情報源の大半は無料だと思うんですよ。それはなぜだかわかりますか?
富山 スポンサーさんとか?
大塚 そうですよね。じゃあなんでスポンサーがつくんでしょうか?
富山 商品をより多くの人に知ってもらうようにアピールするため。
大塚 そうですね。その通りだと思います。自分たちの企業自身もしくは商品サービスをPRすることで売り上げをあげるということですね。言い換えると、商標をPRするためにスポンサーになるわけです。ということは、そもそも商標がなければ今のように情報を仕入れることができないということですね。
富山 なるほど、ところで大塚さん、商標と一口に言っても様々な名称やロゴがあると思います。その中でこれは困ったなというような名称やロゴを登録してくれというような依頼もあったんではないですか?
大塚 そうですね、これは困ったなというような依頼があったことはないんですけども、依頼があった時点でこれはちょっと難しいかなと思うような事例はありましたね。 結果的には審判まで争って登録は認められたんですけども。「大手町温泉」という商標なんですが、ご存知ですか?
富山 大手町に温泉が沸いたといって最近話題になったものですよね。
大塚 「大手町温泉」というのは、地名とサービスの一般名称、この場合ですと温泉の提供ということですよね。 それが組合わさった商標なんですけどもそういう商標は誰もが使用したいと、例えば大手町でほかの人が温泉を掘った時に、大手町温泉を使いたいということもあるので原則的に登録が認められないんですね。
富山 原則的にとは例外があるんですか?
大塚 そうなんですよ。こういった商標でも全国的に知られている場合有名な場合、例外的に登録が認められます。ただそのためには膨大な資料を提出して「これだけ全国の人に知られています」ということを示す必要があります。大手町温泉のケースも全国紙の新聞とかTV番組で紹介されたという書類を提出しました。
富山 結構大変そうですね
大塚 そうですね。商標のなかでもこういった例外的に登録を認めてもらうというのは結構大変ですね。似たような事例では「中津温泉」であったっり「富士宮焼きそば」も著名であることを理由に登録が認められているんです。
富山 商標にはそういう苦労もあるんですね。
大塚 もちろん弁理士だけではなく、依頼人の協力というのがなければなりません。資料収集の大半は依頼人にしてもらうわけなので、弁理士としては必要な資料や手続きなどをアドバイスして二人三脚で取り組むことが大切だと考えています。
富山 もし私も商標登録したいとおもったときは、まず弁理士さんに相談したいと思います。
大塚 そうですね、そのときは私共弁理士にご相談ください。商標を登録したい方の強い味方となる存在です。日本弁理士会には無料の相談室がありますのでまずはこちらを活用してください。詳しくは日本弁理士会HPをご覧ください。
富山 大塚さんありがとうございました。なお今日のこの番組は番組ホームページでいつでも聞くことができます。「弁理士ラジオ」で検索してください。「こちら知的財産相談室」この番組は日本弁理士会の提供でお送りしました。また次回をお楽しみに。お相手は富山幸代でした。