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第35回 特許の出願をやってくれるという人がいた場合、頼んでもよいでしょうか?

出演 弁理士:加藤肇先生 進行:富山幸代

弁理士以外の人が、報酬をもらって特許出願を代理することはできません。
専門知識が必要な知的財産の取得。出願人に不利益がないように、弁理士のみが代理できると法律で定められています。

ラジオトーク

富山 日本弁理士会プレゼンツ「こちら知的財産相談室」の時間です。こんにちは富山幸代です。この時間は日常生活での出来事や身の回りのものを通じて、知的財産の意味や大切さを学ぶ番組です。今週の番組の回答者は日本弁理士会広報センターの加藤肇さんです。

加藤 こんにちは弁理士の加藤肇です。

富山 加藤さんよろしくお願いします。早速ですが、前回、特許権を出願登録して私はお金持ちになれるのか?と相談しました。

加藤 特許権=お金持ちではないと説明しました。でも特許権の登録をしないことにはお金持ちへの道も閉ざされてしまいます。

富山 この番組を耳にしたある知り合いが「それなら特許庁に出願しちゃいなよ。俺、書類を書いて出願してあげるから」と言ってくれました。

加藤 その方は弁理士ですか?

富山 いいえ、全く無関係の仕事をしています。

加藤 では、手数料や謝礼などももらうんですか?

富山 友達だから通常よりも安くやってあげるよと言っていました。これはすごく助かるなと思いました。

加藤 それは困りましたね。

富山 何でですか?

加藤 実は弁理士以外の人が代理をしてお金を貰って特許の出願をすることは出来ないんですよ。

富山 そうなんですか!?

加藤 同じように意匠、商標、実用新案の出願もできません。これは法律で決まっているんですよ。

富山 法律で決まっているんですね。知りませんでした。友人の話だと、よくあることなのだと聞きました。

加藤 たまに、そのような話を聞きます。今年になってからも、弁理士でない人が特許出願の代理をして逮捕されてしまったという例があります。

富山 そうなんですね。ではどのような人が特許出願の代理業務を持ち掛けてくるのでしょうか?

加藤 特許などの知識が素人よりはある人が持ち掛けてきます。以前に少し特許の勉強をしていたり自分で出願をしたことがある人、他には弁理士以外の資格を持っている人が代理業務を持ち掛けってくることがあります。

富山 世の中には様々な資格があるので、資格について詳しくないと騙されてしまいますね。

加藤 勘違いか勝手に独り歩きしているように思われますね。でも違います。そこは強調したいところです。今日はそのことについて説明したいと思います。

富山 はい、お願いします。

加藤 特許出願をするうえで、ちゃんとその特許出願で権利がちゃんとが取れるかどうか、事前に調査する必要があります。それが素人では、なかなかうまくできない、そうなるといい権利はとてもじゃないけど取れません。それから出願にこぎつけたとしましても、出願をした後には特許を取るまでに特許庁の審査官とやり取りをします。そのやり取りも弁理士じゃないと対応ができません。それから、審査官から拒絶理由通知が送られてくる場合があります。そこに書いてある内容は、なぜ権利にすることが出来ないかということが書いてあるだけで、どうすれば権利が取れるかは、はっきりとは書いていません。その拒絶理由通知を読んでどうすれば特許をとれるかを考えるのが弁理士です。

富山 とてもじゃないですけど、素人には無理ですね。この番組を通して弁理士さんが細心の注意を払って仕事をされているなと思いましたが、特許への出願は弁理士さん以外はできないと法律で決められているんですね。特許権に限らず知的財産を出願するときは、やはり弁理士さんです。本当に頼れる存在ですね。

加藤 そんな時出番となるのが私ども弁理士です。日本弁理士会には無料の相談室がありますのでまずはこちらを活用してください。詳しくは日本弁理士会HPをご覧ください。

富山 加藤さんありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。なお、今日のこの番組は番組ホームページでいつでも聞くことができます。「弁理士 ラジオ」で検索してください。「こちら知的財産相談室」この番組は日本弁理士会の提供でお送りしました。また次回をお楽しみに。お相手は富山幸代でした。

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