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第5回 発明とはそもそも何を言うのですか?

出演 弁理士:横田香澄先生 進行:富山幸代

特許権で保護される発明は、特許法で定義されています。
「発明とは自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」と定義されています。

ラジオトーク

富山 日本弁理士会プレゼンツ「こちら知的財産相談室」の時間です。 みなさん、こんにちは。進行役の富山幸代です。 この番組は、普段あまり聞き慣れない「弁理士」という仕事について紹介しながら、知的財産に纏わる(まつわる)事柄を相談できる人が身近にいるといかに心強いか、これを弁理士の方への相談を通して、理解を深めていく番組です。 今週の番組の回答者は、日本弁理士会広報センターの横田香澄さんです。

横田 こんにちは。日本弁理士会の横田香澄です。

富山 横田さんこんにちは、どうぞよろしくお願いいたします。 早速ですが横田さん、前回「何が知的財産となるのか」について教えていただきました。その中で発明と特許権という言葉が出てきましたが、実は私、子供のころ自由研究でいろんなものを発明するのが好きだったんですね。今日はまずは「発明」とはそもそも何を言うのか教えて頂きたいのですが。

横田 はい。「発明」とは、辞書で調べると「新たに物事を考えだすこと」と書かれていますが、特許権で保護される発明は「特許法」という法律できちんと定義されています。具体的には「発明とは自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」と定義されています。

富山 その定義の中の「自然法則」とは何なんでしょうか?

横田 例えば万有引力の法則があります。自然界にもともとある法則は、どんなにすごい発見であっても発明にはなりません、その他にもゲームのルール、数学の公式や天然物、自然現象等の単なる発見等も発明には該当しません。

富山 なるほど、たとえば台風を発見しても発明にはならないんですね。

横田 そうです発明にはなりません。

富山 では台風のエネルギーを利用した何かを作れば発明にはなるんでしょうか?

横田 そうでうすね、それは発明になります。

富山 そういう意味合いだったんですね。では次に、発明とは切っても切れない「特許権」とは何なのでしょうか?

横田 特許権とは発明を保護する権利のことをいいますが、発明が完成したからと言ってすべての発明が特許権を受けられるわけではありません。発明が完成したら、特許出願を行い、審査に通過した発明のみが特許権を得ることができます。この特許権を取ることにより、その発明を独占することができます。

富山 発明家を守るための権利なんですね。

横田 はい。

富山 特許を取れば発明が守られるということなんですね。

横田 はい。

富山 その審査って厳しいんでしょうか?

横田 はい、厳しいです。簡単に言うと、例えば産業上利用することができる発明であることが要求されます。なので産業上利用することができない発明、例えば、人間を手術、治療または診断する方法は特許権を得ることができません。また世の中にある技術と比べて新しいものかどうか、または容易に発明されたものではないかどうかなどが審査されます。

富山 なるほど、特許権とは発明家を守るための権利ということなんですね。

横田 はい。

富山 特許を取るとはよく言いますが、様々な技術が進化している現在、とてもハードルが高そうに思えます。

横田 いえ、それでも特許権を申請する方は多く、日本は世界でもトップクラスなんです。何が特許権の対象になるかはわからないので、普段の生活での何てことはない工夫が大発明となることもあるのです。まずは、弁理士会に相談してください。 私ども日本弁理士会には無料の相談室がありますので、まずはこちらを活用してください。詳しくは日本弁理士会ホームページをご覧ください。

富山 横田さんありがとうございました、また次回もよろしくお願いします。

横田 ありがとうございました。

富山 なお、今日のこの番組は番組ホームページでいつでも聞くことができます。「弁理士 ラジオ」で検索してください。 こちら知的財産相談室、この番組は日本弁理士会の提供でお送りいたしました。また次回をおたのしみに。お相手は、富山幸代でした。

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