最初のデザインを意匠登録すれば、デザインバリエーションの保護も万全だと思っていたが
A社は、お洒落な卓上スピーカーを発売したところ、売れ行きが好調なため、色々なデザインバリエーションも売り出したところ、それもヒットして、社長はニンマリ。
最初に発売した卓上スピーカーは、しっかり意匠権を取っており、デザインバリエーションも保護されるとして、模倣品対策は万全と安心していました。
しかし、あるとき電器屋を覗いてみると、あるデザインバリエーションとそっくりの他社製スピーカーが売られていました。
社長は、意匠権の侵害だと色めき立って、弁理士に鑑定を依頼しました。
弁理士が鑑定したところ、そのスピーカーと登録意匠は類似しておらず、権利行使はむずかしいことが判明しました。
色々なバリーションを作っているうちに、最初のスピーカーのデザインと非類似になっていたのです。
デザインバリエーションの保護には、関連意匠が有効です。令和元年の意匠法改正により、最初の意匠、バリエーションX、バリエーションYがあったとき、最初の意匠とXが類似、XとYが類似していれば、最初の意匠とYが類似していなくてもXの関連意匠として意匠権を取ることが出来ます。
これで、一貫したコンセプトに基づいて開発されたデザインを保護することが出来ます。