支援活動172_webbook
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知的財産支援活動だより2016年7月号(No.172) 5 える、予算内の支援では件数に限りがあるものの、優れた特許の世界的保護に貢献できているものと推察する、とのお話がありました。・基調講演 東京大学政策ビジョン研究センターの小川紘一氏より、「―オープン&クローズの戦略思想を必要とする時代の到来―」との表題で、以下のお話がありました。① 20世紀末から、第三次経済革命でソフトウエアに知財権が付与され、小規模企業がイノベーションの主役となった。ビジネス・エコシステム型産業(市場から部品を調達し、全部品を自家製造としない)の進展といえる。これは、製品がモジュールの組み合わせ型となり、モジュールの結合インターフェイスもオープン標準化したことによる。この体系の下では、技術体系の一部しか持てない小規模企業が互いに繋がりあって、市場参入、新規市場創出、イノベーションの先導役となる。但し、オープン化の潮流とビジネス・エコシステムの進展でも、それだけでは、勝利できない。② インテルを成功事例として説明すると、オープン化の背後で必ずクローズ領域を事前設計している。つまり、MPU(PentiumⅢ)はクローズとし、メモリーコントロールバスはオープン化(標準化)している。携帯電話ノキアの例でも、無線基地局がクローズにされる一方、機器の内部及び外部はオープン化されている。更に、アップルの事例では、デザイン、IF、iOS等がクローズにされ、これらコア技術と繋ぐ部分に知財が集中し、汎用部品はオープン化されている。③ オープン・イノベーションに成功した企業とは、(i)クローズ領域を守りつつオープン化し、(ii)ビジネス・エコシステムの構造とビジネス・プラットフォームや競争のルールを自社優位に決め、(iii)自社のコア領域からオープン市場に伸びる手を構築した企業である。④ 日本の産学連携をどう方向付けるかについては、企業がオープン化に踏み出せないならば、大学側からオープン化し、オープン&クローズ型の産学連携を構築するべきと提案する。・A1「共同発明、その管理と活用の温故知新」・B1「ライセンス成功事例」・C1「ベンチャー成功事例 なぜ成功した。初期の苦労」・D1「製薬企業の取り組みと研究ニーズのご紹介」・E1「特許基礎講座(日本弁理士会協賛セッション)」・A2「ライセンスに熱心な会社大集合 こんな技術を探しています」・B2「国プロを基盤とした研究開発基盤の活用」・C2「特許管理の共有インフラについて考える~便利なものはみんなで共有しよう~」・D2「医療イノベーションと産学連携」・E2「共同研究基礎講座」(2日目)・A3「大学の国際英文契約」・B3「地域を巻き込んだ産学連携事例の成果と本音」・C3「特許権以外の技術移転からどんな製品が生まれたのか?」・D3「臨床試験データの取扱について」・E3「ライセンス基礎講座」・A4「大学等知財部門とTLOとの連携事例と今後の協力体制」・B4「大学連携業界における人材育成とキャリアアップ~ベンチャー役員に転身した産   学連携従事者の事例から考える~」・C4「医薬・バイオ関連発明の効果的な外国特許出願を考える(スポンサー・セッショ   ン)」・D4「大学での研究支援業務において大切なことは?(URAセッション)」・E4「ケースメソッドによるマネジメント・トレーニング」

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