支援活動172_webbook
6/36
6 知的財産支援活動だより2016年7月号(No.172)・F4「技術移転のマーケティングで成功する秘訣~アメリカ最新事情(スポンサー・セッション)」(鶴木富紀子) 以下、日本弁理士会の協賛セッションである「特許基礎講座」の内容を詳しく紹介します。① 金沢工業大学大学院 上條由紀子会員(モデレーター) 本セッションの導入として、まだ経験が浅い人向けに、産学連携・技術移転の現場で必要となる知的財産に関する基礎知識や、知財の創造・保護・活用のマネジメントの留意点などについての解説がなされました。② 「大学知財実務の留意点」、東北大学 木下忠会員 東北大学知的財産部での経験に基づいて大学知財実務の留意点の説明を行いました。具体的には、発明の完成、特許を受ける権利、発明者の決定、発明の評価、職務発明規定、新規性喪失の例外適用、特許事務所との対応、特許庁審査官との対応、JSTの外国特許出願支援制度、減免制度、共同研究契約・共同出願契約のテーマについて、大学実務で頻繁に問題になる留意点について具体的事例を挙げながら説明を行いました。 セミナー修了後、参加者から例えば次のような好意的なコメントを頂くことができました。今回このような発表の機会を頂けたことをこの場を借りて感謝申し上げたいと思います。 「自分の仕事が特許と密接に関わっていることを再確認し、身が引き締まる思いです。」(大学共同研究契約担当) 「明日からの業務にすぐに活かせる内容で、大変参考になりました。」(大学産学連携担当) 「共同研究や企業の研究員受け入れ時、あるいは学生の取り扱いなど、大変参考になりました。」(大学産学連携担当)③ 「企業から見た大学知財」、王子ホールディングス株式会社 中川淳子会員 企業知財部門の立場から企業から見た大学知財について、具体的には、大学と企業との間で見られる対立、共同研究(契約)における留意点、共同出願(契約)における留意点、企業の特許権を取得理由、企業の出願方法、などのテーマについて解説がありました。④ 「大学における知財活用~特に外国特許について」、奈良先端科学技術大学院大学 久保浩三会員 奈良先端科学技術大学院大学の特許出願とライセンスについての説明がありました。一般に共同出願先の企業から不実施補償を得ることは難しいが、同大学ではライフサイエンス分野については不実施補償がそれなりにあり、それは、企業が大学で開発した製品をその後購入することがあるためとのことでした。特許制度については、主に外国の特許制度やパリ条約、PCT条約についての基本的な解説がなされました。(木下忠)
元のページ