支援活動だより177_webbook
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知的財産支援活動だより2016年12月号(No.177) 27 1.日 時:平成28年10月22日(土) 10:00~12:302.場 所:京都リサーチパーク3.テーマ:iPS細胞技術と知的財産権 ~大学における発明の保護と利用~4.講 師:立川伸子5.受講生:67名6.コメント: パテントセミナー京都午前は、立川伸子会員による「ⅰPS細胞技術と知的財産権」をテーマとしたご講演でした。専門的なイメージが強いテーマであったにも関わらず、多くの方にご参加いただきました。最初に、京都地区会長である西村会員のご挨拶があり、その後立川会員のご講演が行われました。前半では、ⅰPS細胞技術の紹介と、大学における知的財産のご説明がありました。ⅰPS細胞技術の紹介では、ⅰPS細胞の名前の由来に始まり、その特徴や利点、ⅰPS細胞を実際に用いた医療技術などについて、実際の細胞の画像などを用いて話されました。大学における知的財産では、大学という研究機関に特に関係する特許制度について重点的に説明されました。また、医療に関するテーマでしたので、医療分野における発明の成立性にも言及されました。 ご講演の後半では、立川会員が所属されるCiRA知財管理室の業務内容のご説明と、今後の課題についてのお話がありました。CiRA知財管理室の業務内容では、京都大学内でのCiRAの役割、京都大学や他の組織との連携、CiRAの出願状況や権利化状況についてのご説明がありました。約400名の所員のアイデアをわずか数名で管理されていること、ほぼ全世界を対象に出願と権利化がされていることなど、立川会員を始めCiRAに所属されている知財担当者の業務の重要さとその苦労が伝わってきました。今後の課題では、ⅰPS細胞に関する知財係争を踏まえての、今後の知財戦略についてご説明されました。 立川会員は、分かり易い言葉を丁寧に選びつつ、かつ、参加された方と同じ目線に立ちつつ、お話をされました。そのため、テーマ自体は難解ではありましたが理解のしやすい内容でした。休み時間やご講演終了後には多くの方が質問に来られ、またアンケートの評価も高く、参加された方にとって立川会員の講演がとても好評であったことが伝わってきました。 京都大学は、ⅰPS細胞技術を広く普及させるために特許出願と権利化を行っています。他方、殆どの企業では、自社が開発した技術を独占するために特許出願と権利化を行います。すなわち、両者の目的は対極にあると言えます。今回のご講演は、最先端の医療技術の知財に触れるだけでなく、私を含めた、知財の業務を企業の観点で行う人達にとって、特許の目的を改めて考えさせられる機会にもなったように思います。近畿支部 知財普及・支援委員会 中山聡「パテントセミナー2016 京都 午前の部」講師:立川伸子会員会場の様子
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