支援活動だより180_webbook
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10 知的財産支援活動だより2017年5月号(No.180)の知財支援施策〜」とのテーマでご講演頂きました。牧氏は、まず近畿経済産業局の特許室を紹介され、国内外および近畿管内の出願動向などを確認するとともに、流行のIoTによるビジネス構造の変化に乗り遅れないようにするために情報・資金など各方面からの様々な施策を展開していることを話しました。特に、中小企業に対する支援施策として、支援策・知財制度の紹介を行っていること、知財に関する悩みや相談を受付ける無料相談窓口が設置されていること、INPIT近畿統括拠点(仮称)を2017年10月までに設置予定であることなどを紹介しました。 また、弁理士・中小企業診断士に対する要望として、現在展開している各種の支援施策を十分に理解いただき、中小企業等に活用を促すこと、中小企業等をINPIT近畿統括拠点へ繋ぐ橋渡し役をお願いしたいこと、中小企業等に対する支援に関する課題をシェアしたいことなどを挙げました。 続いて、第2部講演では、後藤会員が「企業経営における知的創造サイクル」とのテーマで講演しました。同会員は、両士業の連携による支援が効く経営課題の一つとして「収益性の向上」を挙げました。「収益性の向上」に繋がる連携パターンとして、中小企業診断士が独自の「価値」を創造する役割を担い、その「価値」を弁理士が製品・サービスに具現化して知的創造サイクルを回す役割を担うことを提言しました。 後藤会員は、以前勤務していた大手家電メーカーでの経験について、事業部と開発部が連携し、おいしいお米を焚いて提供することで有名なお店の協力を得つつ、独自形状の釜を用いた炊飯器を開発・販売し、過去最高の利益を上げたというものでした。中小企業の場合においても、弁理士・中小企業診断士と連携したチームを編成することにより、大手企業と同等の結果を生み出すことができる可能性は十分にあると話しました。 次いで、若松氏が「知的創造サイクルを循環させるために中小企業診断士にできること」とのテーマで講演しました。同氏は、昨今のマーケティングが機能的特性と便益にフォーカスした伝統的マーケティング(モノ発想)から顧客の経験価値にフォーカスした経験価値マーケティング(コト発想)に変化していること、ウォークマンの成功例がコト発想の典型であることなどを話しました。 また、若松氏は、実際に手掛けた新製品開発支援・マーケティング支援の事例や、関東経済産業局によって纏められた「知財戦略コンサルティング活用事例集」を取り上げて具体例を説明しました。最後に、事業計画やマーケティングなどに関しては中小企業診断士がサポートし、事業計画やマーケティングに含まれる「知財戦略」に関しては弁理士がサポートするといったような、中小企業診断士と弁理士とが連携した実例を近畿で作っていきたいと今後への意気込みを語られました。 第2部講演の締め括りとして、岡野会員により「知的創造サイクルを循環させるために弁理士にできること」とのテーマで講演しました。同会員は、まず、企業価値を向上させるための知的財産の保護について説明しました。商標権の保護対象が拡大していること、農業関連の商品を例にして特許のみならず意匠や商標によっても保護できることなどを話しました。また、技術的にわかりやすい事例を用いて特許になるレベルやそこに至るまでの着眼点などについて説明しました。続いて、企業の特許活動についても触れ、特に、他企業と共同で研究開発をする場合に、創造段階では守秘義務契約を結ぶ必要性、活用段階では特許法第73条などを考慮して契約ですみ分けを図っておく必要性について説明された。 また、岡野会員は、権利取得によるメリットとして参入障壁の形成を挙げ、参入障壁のパターンとして、製品全体を独占する新価値創造型と、製品の部分を独占する改良型とを紹介され、製品自体ではなくその製品に用いられる消耗品に着目して上手く参入障壁を築いた中小企業の実例について紹介しました。さらに、同会員は、権利取得によるメリットのみならず、権利取得に至るまでの知的財産活動自体にもメリットがあることを説明しました。その例として、自社技術の強みを分析して新製品開発に結びつけた企業、報奨制度などを採用して人材育成に結
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