支援活動だより182_webbook
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4 知的財産支援活動だより2017年7月号(No.182)キャラバン実施報告・今後の抱負、経営センター設立について知的財産経営センター センター長 松浦喜多男1.はじめに 日本弁理士会は、本年4月1日に、知的財産経営センターを設立しました。 運営委員総数170名以上の日本弁理士会最大附属機関の誕生です。知的財産の客観的価値評価を行う知的財産価値評価事業本部、知財コンサルの研修・研究を行う知財経営コンサルティング事業本部、知財の流通流動等を手掛ける知的資産活用事業本部、中小企業への無料訪問型コンサルを実行する知財キャラバン事業本部(後述)、さらには各事業を連係させ、センターの戦略を考える統合事業本部企業を擁しています。知財経営の現場で、知財マネージメントに係る様々なオプションを提起することも目指しており、日本弁理士会の知財経営分野での中核基地又は前線基地といえます。2.設立の趣旨 我が国産業の底上げ化・国際化への対応のため、中小企業、ベンチャー企業における知財の活用が大きな課題として挙げられ、これと関連して、知的財産を経営戦略に位置付けるという「知財経営」の概念が急速に普及してきています。 特許庁、経産省、中小企業庁などでは、産業活性化として知財経営の支援を軸とする種々の中小企業への直接支援策を行っています。(新輸出大国コンソーシアム、経営サポート「知的財産支援」等)。その他にも、中小企業基盤整備機構での知財経営に資する支援事業など、周囲環境は知財経営の概念を軸として、多様な支援活動を行っています。これらは、いずれも、中小企業を直接的に支援するものです。この状況下にあって、日本弁理士会は、経営の現場に密着した企業支援を、従来に比してさらに強力かつ効率的に推進すべしとして、知財経営センターを設置しました。 知的財産推進計画2016で、知的財産とビジネスの両方の視点に立って中小・ベンチャー企業の知財戦略構築を支援できる弁理士の育成の強化が謳われていたことも、考慮すべきことでした。3.知財経営センターの主な事業(イ)知財の価値評価 特許の金銭的価値は、幾らか? この価値評価は、実施契約、権利侵害、知財譲渡、知財金融、資産評価など、様々な局面で重要となります。裁判所からの評価依頼対応、評価の研究、知財ビジネス評価書の作成など、知財価値評価業務をさらに活性化させ、知財経営の現場で、価値評価手法を活かしたいと考えています、企業からの価値評価についての支援要請にも積極的に対応していきます。(ロ)知財経営コンサルティング これからの弁理士は、単に出願業務だけではなく、知財経営の分野でも、企業をサポートしていかなければなりません。 そこで、経営的視野で知財を観るための研鑽・研究を重ね、コンサルティング能力のある弁理士を育て、彼らをキャラバン事業などを通して、企業に派遣ししていきます。(ハ)知財の流通 オープン&クローズ戦略の要に、知財の流通があります。出願代理を行っている弁理士相互の橋渡しを通じて、円滑な知財の流通を実現しようと取り組んでいます。

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