支援活動だより185_webbook
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知的財産支援活動だより2017年10月号(No185) 5 <オープニングリマーク> 新しくUNITT会長に就任された藤嶋昭氏、開催大学の東京工業大学 理事・副学長 安藤真氏、東京工業大学 大学院教授 橋本正洋氏、人材育成ネットワーキング委員会 委員長 山本貴史氏の挨拶が順次ありました。 これらの方々は、UNITT創立・発展に向けて中心的役割を担い、大学の研究費が公的な「科研費」を中心とした財源から、産業界からも助成金・研究費等を得るために努力されました。そして、今年、第14回UNITT開催を迎えるまでに至った産官学連携のUNITTの中心的役割を称賛されました。<基調講演> UNITT会長の藤嶋昭氏より、「偉大な先人に学びつつ、研究を進めよう ―光触媒を例にして―」との表題で、以下の講演がありました。―光触媒を例にして― 光触媒とは、光が照射されることにより、それ自身は変化をしない(触媒)が、化学反応を促進する物質をいう。例えば、触媒として汎用されている酸化チタン(TiO2)は、①「酸化分解力」と②「超親水性」という二つの機能を持っている。 酸化チタン(TiO2)は、空気浄化、水浄化、抗菌、防汚・防曇といった様々な用途で実用化され、人々の生活の中で活用されている。 例えば、光触媒コーティング壁材は、光触媒の持つ①「酸化分解力」により汚れや菌などが分解され、医療施設の壁材として手術室等に使用され、除菌剤を必要とすることなく環境保持ができる(図①)。 また、②「超親水性」により、雨水が外壁に当たると、「セルフクリーニング効果」が発揮されるので、白い建物の外壁に使用されると外観を建築当初の状態で長期間維持することができる(図②)。 光触媒の基礎研究は、その後、産業界において多くの改良発明を経て、無限の太陽光をエネルギーとして利用することで、環境保全や生活環境を向上させることができ、その社会貢献度が大である。 次いで、「偉大な先人に学びつつ、研究を進めよう」では、中国・欧州をはじめとして、歴史的な発見・発明をした科学者の格言についても、将来の研究者の指針となるべく、興味深い講演がなされました。 中国古典名言集から、『論語』では、「之を知る者は、之を好む者に如かず。 之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。」を引用され、「時間を惜しんで、実験を楽しみなさい(レントゲン)」と同意義であるとの解釈を示されました。 以下、日本弁理士会協賛セッションの2セッションについて、内容を簡単に紹介します。基調講演 UNITT会長 藤嶋昭氏東京工業大学 副学長 安藤真氏①光触媒による酸化分解のメカニズム②超親水性機能によるセルフクリーニング効果(文部科学省文献から引用)

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