支援活動だより186_webbook
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知的財産支援活動だより2017年11月号(No.186) 31 1.日  時:平成29年10月6日(金) 18:30~20:302.場  所:アクトシティ浜松<Dゾーン>研修交流センター4階401会議室3.実施者等:主催:日本弁理士会東海支部       後援:公益財団法人 浜松地域イノベーション推進機構       企画・運営:静岡県委員会4.内  容:"アジア中国市場を開拓する皆さまへ~中国における商標・ブランドの危機管理及びリスク回避策~"5.対  象:一般、製品開発関係者、知財関係者など22名6.担当部署:東海支部 静岡県委員会7.講  師:東海支部 知的財産支援キャラバン隊員 弁理士 田中智雄8.コメント: 今回のセミナーでは、中国に進出する企業の注意点や、中国における商標を中心とした知的財産の説明がなされました。 まず、中国といっても、上海、北京、深セン等の地域により、言語からして全く異なり、企業進出にあたっては、地域別に検討することが必要になることが、講師の経験を交えて詳しく説明されました。また、中国人と日本人との考え方の違いについても説明がなされ、日本人は、モラルとルールを混同しているため、中国人の考え方が理解できないとの解説もありました。 次に、中国国内の特許出願件数は世界第1位であり、出願件数第1位、第2位の企業は、中国企業であることが紹介されました。中国企業は、国営企業であり、国策として特許権・実用新案権の取得を推奨しているといった実情があり、具体的には、権利取得件数により税金が優遇されるとの説明がありました。受講者は、中国企業の中国国内出願件数が伸びてきた理由をよく理解できたと思われます。また、最近では、中国企業が原告となって国外企業が訴えられるケースが増えており、日本企業も注意する必要があると感じました。 さらに、中国では、何故、漢字商標で出願する必要があるのか?の理由が、“HERMES”の事例等をあげて丁寧に説明されました。個人的にも、今まで疑問に思っていたことが、大変わかりやすくご説明いただけました。理由の一つは、「中国の地方では漢字しか読めず、称呼が重視されることから、漢字の当て字が重要になってくるから。」ということでした。続いて、衣料品販売店の“しまむら”の漢字の当て字の素晴らしさが紹介され、実に興味深いものでした。 最後に、中国における知的財産権絡みのトラブルの事例が、時間の許す限り解説されました。 トラブルの事例は全て解説しきれませんでしたが、レジュメに記載された事例は、いずれも興味のある事例でしたので、別の機会にまた解説をしていただけることが望まれます。東海支部 静岡県委員会 委員 吉延彰広「週末パテントセミナー2017in静岡(浜松会場第2回)」講義の様子

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