支援活動だより188_webbook
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知的財産支援活動だより2018年2月号(No.188) 7 高等専門学校へのエンターテイメントセミナー関東支部 千葉委員会委員長 高橋昌義1.経緯 平成25年3月14日、日本弁理士会と独立行政法人国立高等専門学校機構(以下、「高専機構」といいます。)との間で、「知的財産教育の充実及び知的財産の活用のための協力に関する協定」(以下、「本協定」といいます。)が締結されました。表題のセミナーは、本協定に基づき、高専機構との協力のもと、全国の国立高等専門学校(以下、「高専」といいます。)を対象として、知的財産支援センター第3事業部が主幹となって、企画、開催したものです。5回目となる今年度も、多くの高専でセミナー(以下、「高専セミナー」といいます。)を開催しました。2.今年度の活動経過i)台本のカテゴリの明確化 高専セミナーは3種類あり、高専は、自校の学習レベルに合わせて、いずれか、または複数のセミナーを選択します。昨年までの高専セミナーでは、初級編、中級編、上級編の3種類のカテゴリに区別されていました。初級編は、知的財産権の種類、特許、実用新案、意匠、商標の特徴を、クイズなどを交えてわかりやすく解説したものであり、知的財産についてあまり詳しく学習したことがない学生を対象としたセミナーです。中級編は、発明の捉え方や発明の創作プロセスなどを解説したものであり、実技として、新しいアイディアを学生に考えてもらうセミナーです。上級編は、侵害事件における被告原告の主張を、物語に則って解説したものであり、特許についての基礎的な知識がある学生を対象としたセミナーです。 これらの各セミナーのカテゴリは、必ずしもセミナーの内容を端的に表しているとはいえませんでした。例えば、中級編は、知的財産について知識があるか否かは問題とならず、どのようなバックグラウンドの学生が受講しても理解できる内容です。また、初級編、中級編を受講すれば、上級編の内容が理解できるというような、ステップアップを意図したカテゴリではありません。このように、カテゴリから想像される内容に誤解を生じさせる可能性がありました。 したがって、高専が、前述したような誤解のもとに各セミナーを選択した場合、目的とした知識を習得することができず、満足が得られない結果となります。 そこで、本年度は、高専が、所望する高専セミナーを適切に選択することができるよう、高専セミナーのカテゴリを明確にしました。 具体的には、初級編が概要編に、中級編が演習編に、上級編が侵害編に、それぞれ改名されました。ii)新たなカテゴリの創設 知的財産に関する授業は高専毎に異なり、知的財産に対する学生の習得度合いも様々です。そこで、高専学生にとって、より有意義な高専セミナーを提供することを目的とし、高専毎の事情を考慮した高専セミナーを高専に提供するために、高専からのオーダーによるオリジナルセミナーを開催しました。 高専からの要望を受けて、正講師が既存の台本をアレンジし、または新たに台本を創作し、高専毎に適切な高専セミナーを提供しました。iii)昨年度の高専セミナーにおける高専の感想の取りまとめとなど 昨年度の高専セミナーは、概要編が4校(沼津高専、新居浜高専、熊本高専)、演習編が4校(函館高専、石川高専、鈴鹿高専、大島高専)、侵害編が8校(一関高専、鶴岡高専、東京
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