#stort 04
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TAKAHASHI
MAKIKO
高橋 真紀子

「弁理士とは『大きな』可能性を
秘めた職業である」

Profile

株式会社LIXIL グローバル知的財産統括部。2011年弁理士登録(17866)。

弁理⼠になられた理由は何でしょうか?
またいつ頃、なろうと思われたのかお教え下さい

子供の頃、絵や工作が得意だったのですが、自分の作ったものをそっくりそのまま真似されることが多くて、子供ながらに理不尽な思いを感じていたのが、この職業に就こうと思った原点です

弁理⼠になって良かったことがあればお教え下さい

弁理士になっていなければお会いできなかったような方々に会うことができたり、弁理士になっていなければ経験できなかったような体験ができたり、自分の接することのできる世界が広がりました。

印象に残っているお仕事、エピソードがあればお教え下さい

現在、国際活動センターという弁理士会の委員会に所属しているのですが、このセンターでの活動を通じてお会いする各国の知財関係の方々がいずれも素晴らしい方々で、またそれぞれの母国においては社会的身分の高い方々も多く、弁理士という職業に課せられた社会的責任の重さを改めて感じて身が引き締まる思いをしております。

今後、どのようなことに取り組んでいきたいですか?

もともと特許事務所において権利化業務を中心に知財にかかわって参りましたが、取得した権利を活用して、どのようにビジネスを発展させていくのか、その現場を経験したくて転職し、現在は、企業の知的財産部門で働いております。代理人の立場から当事者の立場に変わったわけですが、当事者の立場に立つとつい熱くなってしまうことも多いのですが、熱くなったときは深呼吸して、これまで培ってきた代理人としての目線を入れることで、個々の事案を当事者意識を持ちながらも客観的に見つめなおすことができる点にこれまでの経験が役立っているのかなと思っています。
これからの話ということになりますと、弊社に限った話ではなく、一般的に、これまでの知財部は、どちらかというと自前で開発した技術について権利形成する業務に主軸が置かれていたのではないかと思いますが、今後は、IOT、AIとの絡みもあり、異業種との連携業務が一層拡大していくと思われます。そのようなビジネス環境の変化に対応すべく、権利化業務にとどまらずライセンス契約等の業務にも強みを見いだせる組織作りができればと考えております。
また、必ずしも直接的な利益が得られるわけではない弁理士会活動に参加することを認めてくれている太っ腹な会社に、ささやかな恩返しができるよう精進致す所存です(笑)。

弁理⼠とは、どのような職業だとお考えですか?

人間の人間たる所以である「考えること」を守る役目を仰せつかった職業だと思います。
天才的な閃きによるアイデアであっても、額に汗して絞り出したアイデアであっても、それを育てて守る手段が何もないとなると、人は自ら苦労して考えることをやめて他人の知的労働の成果物を横取りして終わらせてしまうかもしれません。
グローバル化が急速に進み模倣品のニュースが世の中を騒がせることも多いですが、苦労して研究開発しなくて済む分、安く商品を市場に出せますから短期的には儲けたと感じる人達もいるのかもしれません。しかし、自分たちで考えることを止めた先に待っている未来について思いを馳せる人が世の中にどれほどいるのでしょうか。
弁理士自身においても、日頃の業務において依頼者のために知恵を絞り、世の中の動きに追随すべく一生勉強し続ける、まさに考える葦です。

弁理⼠を志す⽅々にメッセージをお願いします

弁理士になったからといって一夜にして全てが変わるわけではありません。しかし、変化は必ずあります。その変化は、職場環境のような物理的なものであったり、物の見方や捉え方のような精神的なものであったり人によって様々ですが、確実にプラスの変化がある筈です。とても可能性を秘めた職業ですが、秘めた可能性のままで終わるか開花させるかは、これから弁理士になられる方達にかかっているので、一人でも多くの方が弁理士として仲間になってほしいと心から願っております。